編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lorenzo C, Williams K, Hunt KJ, Haffner SM: Trend in the prevalence of the metabolic syndrome and its impact on cardiovascular disease incidence: the San Antonio Heart Study. Diabetes Care 2006; 29: 625-630. [PubMed]

コホート1に比べ,その5~6年後のコホート2でメタボリックシンドロームの頻度が著増していることが注目される。メタボリックシンドロームはCVDのリスク因子とされているが,実際にコホート2のCVD発症率はコホート1の1.37倍であったことが特筆される。【片山茂裕

●目的 メタボリックシンドロームの有病率の推移を検討し,さらにメタボリックシンドロームの心血管疾患(CVD)に対する影響を検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 -
●対象患者 5158例:San Antonioに在住のメキシコ系アメリカ人および非ヒスパニック系白人(男性および妊娠していない女性)。25~64歳。
●方法 登録時期により,対象者をコホート1(1979年1月~1982年12月:2217例)とコホート2(1984年1月~1988年12月:2941例)に分類。うち3682例(71.4%)に対し,追跡調査を実施(コホート1は1987年10月~1990年11月[中央値8.0年]:1674例,コホート2は1991年10月~1996年10月[中央値7.4年]:2008例)。
登録時および追跡調査時にメタボリックシンドロームの有病率を評価し,その推移を検討。メタボリックシンドロームの診断は,NCEP ATP III基準(ウェスト周囲径>102cm[男性]および>88cm[女性],トリグリセリド値≧1.7mmol/L,HDL-C値<1.0 mmol/L[男性]および<1.3mmol/L[女性],血圧≧130/85mmHgまたは降圧薬の服用,空腹時血糖値≧5.6 mmol/Lまたは血糖低下薬の服用のうち3項目以上)を用いた。
さらに,4635例(90.0%)においてCVD発症を追跡し,メタボリックシンドロームとの関連を検討。
●結果 ベースライン時のメタボリックシンドロームの有病率は,男女ともコホート1で有意に低かった(男性:20.4 vs 29.3%,p<0.001,女性:16.3 vs 26.3%,p<0.001)。追跡調査時の有病率は,コホート1(男性29.1%,女性28.8%)およびコホート2(男性38.0%,女性38.6%)ともに,男女とも有意に上昇していた(いずれもp<0.001)。
CVDを発症したのは269例(5.8%)であった。多重ロジスティック回帰分析では,年齢,性別,民族,社会経済的状況,CVD既往,糖尿病,総コレステロール値,喫煙状況,心臓発作の家族歴を補正後のCVD発症率は,コホート2でより上昇していた(オッズ比[OR]1.37,95%CI 1.02-1.84)。さらにメタボリックシンドロームを補正すると,CVD発症率の差は縮小し(OR 1.26,95%CI 0.93-1.71),メタボリックシンドロームはCVD発症の独立した予測因子であることが示された(OR 1.58,95%CI 1.14-2.18)。
●結論 米国Texas州San Antonioにおいて,メタボリックシンドロームの有病率は経時的に上昇しており,CVD発症率が上昇していることとの関連が示された。