編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gerstein HC, Pogue J, Mann JF, Lonn E, Dagenais GR, McQueen M, Yusuf S, HOPE investigators: The relationship between dysglycaemia and cardiovascular and renal risk in diabetic and non-diabetic participants in the HOPE study: a prospective epidemiological analysis. Diabetologia 2005; 48: 1749-1755. [PubMed]

血糖値がCVイベントのリスク因子であることはよく知られているが,非糖尿病患者においても空腹時血糖値の上昇がCVイベントのリスク因子であることが示され,興味深い。【河盛隆造

●目的 糖尿病患者および非糖尿病患者において,空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値およびHbA1c値と心血管(CV)イベント,全死亡,心不全,顕性腎症との関係を検討した。HOPEのサブ解析。
主要アウトカムは非致死性心筋梗塞(MI),脳卒中,CV死の複合アウトカム。副次アウトカムは全死亡,うっ血性心不全による入院,顕性腎症,個々の主要アウトカム。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,多施設(19ヵ国),2×2 factorial。
●試験期間 追跡期間は4.5年(中央値)。
●対象患者 HOPEの参加者(CVイベントの高リスク例9541例)のうち,(1)HbA1c値が得られた糖尿病患者3529例(平均65.4歳,女性36.6%),および(2)カナダで登録されFPG値が得られた非糖尿病患者1937例および糖尿病患者1013例(平均65.4歳,女性21.9%)。
●方法 HOPE試験では,患者をACE阻害薬ramipril 10mg/日群またはプラセボ群,さらにビタミンE 400IU/日群またはプラセボ群にランダム化。
本解析では,(1)糖尿病患者3529例のHbA1c値(ベースライン値および全測定値の平均),および(2)カナダで登録された非糖尿病患者1937例および糖尿病患者1013例のFPG値(ベースライン値)のデータを用い,それらの値と追跡期間の主要アウトカム,心不全による入院,全死亡,顕性腎症の発生状況との関係について,Cox回帰モデルを用いて検討した。
●結果 (1)糖尿病症例におけるHbA1c値の1%上昇は,主要アウトカム(相対リスク[RR]1.07,95%CI 1.01-1.13,p=0.014),心不全による入院(RR 1.20,95%CI 1.08-1.33,p=0.0008),全死亡(RR 1.12,95%CI 1.05-1.19,p=0.0004),顕性腎症(RR 1.26,95%CI 1.17-1.36,p<0.0001)のリスク増大と有意な相関を示した(年齢,性別,糖尿病罹病期間,血圧,WHR,高脂血症,ramipril治療を補正後)。
(2)同様に,糖尿病症例および非糖尿病症例におけるFPG値の1mmol/L上昇は,主要アウトカム(RR 1.09,95%CI 1.05-1.13,p<0.0001),心不全による入院(RR 1.16,95%CI 1.06-1.13,p=0.0007),全死亡(RR 1.06,95%CI 1.01-1.12,p=0.0166),顕性腎症(RR 1.34,95%CI 1.23-1.45,p<0.0001)のリスク増大と有意な相関を示した(年齢,性別,血圧,WHR,高脂血症,ramipril治療を補正後)。このFPG値と主要アウトカムの有意な相関は,糖尿病について補正後も維持されていた(RR 1.06,95%CI 1.00-1.12,p=0.043)。
●結論 血糖値の上昇とCVイベント,心不全,腎疾患,全死亡の増加との間には独立した相関が認められた。糖尿病患者および非糖尿病患者におけるこれらのアウトカムの予防を目指した血糖降下療法についての臨床試験が必要である。