編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年3月現在,1155報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Kjeldsen SE, Julius S, Mancia G, McInnes GT, Hua T, Weber MA, Coca A, Ekman S, Girerd X, Jamerson K, et al.: Effects of valsartan compared to amlodipine on preventing type 2 diabetes in high-risk hypertensive patients: the VALUE trial. J Hypertens 2006; 24: 1405-1412. [PubMed]

レニン-アンジオテンシン系を阻害するACE阻害薬やARBは,利尿薬やβ遮断薬に比べ,高血圧患者の糖尿病新規発症率を減少させることが報告されている。今回の検討では,インスリン抵抗性に悪影響を及ぼさない,あるいはむしろ改善するCa拮抗薬であるamlodipineとARBのvalsartanを用いての比較がなされた点が重要といえる。その結果,valsartanはamlodipineより糖尿病新規発症を23%減少させた。この機序としては,サイアザイド系利尿薬が約45%の症例に併用されており,ARBとの併用では低カリウム血症が起こりにくくなることがインスリンの分泌に悪影響を与えないためかもしれない。あるいは,アンジオテンシンIIがインスリンの細胞内情報伝達に悪影響を及ぼすが,ARBがその点を解除し,結果的にインスリン抵抗性を改善するためかもしれない。【片山茂裕

●目的 心血管リスクの高い高血圧患者において,AII受容体拮抗薬(ARB)valsartanおよびCa拮抗薬amlodipineの2型糖尿病発症予防効果を比較した。VALUEのサブ解析。
主要アウトカムは2型糖尿病の新規発症。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均4.2年。
●対象患者 9995例:VALUEの参加者(心血管リスクの高い本態性高血圧患者15245例)のうち,ベースラインに糖尿病を認めない例。
●方法 VALUEでは,valsartan群,amlodipine群にランダム化。投与開始用量はvalsartan 80mg/日,amlodipine 5mg/日で,目標血圧(<140/90mmHg)を達成するまで段階的に増量:試験薬の倍増(それぞれ160mg/日,10mg/日)→利尿薬hydrochlorothiazideを併用(12.5mg/日から開始し,25mg/日に増量)→ARB以外の降圧薬を併用(ACE阻害薬およびCa拮抗薬は高血圧以外の理由により適用される場合のみ投与可)。
本解析では,2型糖尿病の新規発症リスクをオッズ比(OR)を算出して検討。解析対象はvalsartan群5032例,amlodipine群4963例。なお,2型糖尿病の新規発症は以下のいずれかを認めた場合とした:有害事象としての報告,経口血糖降下薬またはインスリンの新規使用,試験終了時の空腹時血糖値≧7.0mmol/L。
●結果 2型糖尿病の新規発症例はvalsartan群580例(11.5%),amlodipine群718例(14.5%)であった(OR 0.77,95%CI 0.69-0.87,p<0.0001)。より厳格な基準(有害事象としての報告を除外)を適用すると,新規発症例はそれぞれ495例(9.8%),586例(11.8%)であった(OR 0.82,95%CI 0.72-0.93,p=0.0015)。
●結論 心血管リスクの高い高血圧患者において,valsartanの2型糖尿病発症予防効果はamlodipineよりも大きかった。