編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Cleary PA, Orchard TJ, Genuth S, Wong ND, Detrano R, Backlund JY, Zinman B, Jacobson A, Sun W, Lachin JM, et al.: The effect of intensive glycemic treatment on coronary artery calcification in type 1 diabetic participants of the Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (DCCT/EDIC) Study. Diabetes 2006; 55: 3556-3565. [PubMed]

EDICでは,DCCT時の強化療法はIMT肥厚の進行を遅らせたり,心血管イベントを42%減少させることが明らかにされている。本検討では,DCCT時の強化療法は,一次予防コホート,すなわち糖尿病罹病期間が1~5年と短い群で,CTで評価したCACスコアが低かった。インスリン頻回投与による血糖の厳格な早期からの治療は,動脈硬化の進行を遅らせるといえる。しかしながら,DCCT/EDICの対象となった1型糖尿病患者は,平均40歳とまだ若く,さらなる観察が必要であろう。【片山茂裕

●目的 過去に行われた糖尿病治療がアテローム性動脈硬化の指標である冠動脈石灰化(CAC)に及ぼす長期的影響を評価するとともに,CACと相関を示す因子を検討した。
●デザイン -
●試験期間 DCCT:登録期間は1983~1989年,1993年試験終了,試験期間は平均6.5年。
EDIC:1994年試験開始。
●対象患者 1205例:DCCT/EDICの参加者のうち,DCCT終了時から7~9年後(2000年11月~2003年3月)にCACを評価された例。
●方法 CTを実施し,Agastonの石灰化指数を用いてCACを評価。DCCTにおいて実施された糖尿病治療がCACに及ぼす影響をコホート別にintention-to-treat解析により比較。また,心血管リスク因子とCACの関係を検討。
DCCT/EDIC:DCCTでは,13~39歳で罹病期間1~15年の1型糖尿病患者1441例を対象として従来療法と強化療法を比較。DCCTは,一次予防コホート(罹病期間1~5年,網膜症なし,尿中アルブミン排泄<40mg/24時間)および二次介入コホート(罹病期間1~15年,きわめて軽度~中等度の非増殖性網膜症あり,尿中アルブミン排泄≦200mg/24時間)から構成された。DCCT終了後に生存していた患者1375例を対象として,観察試験EDICを開始。
●結果 全例の検討では,CAC>0の患者は31.0%,>200の患者は8.5%であった。一次予防コホートの検討では,CAC>0の患者は従来療法群で強化療法群に比して有意に多く(オッズ比[OR]1.59,95%CI 1.06-2.39,p=0.024),CACスコアの幾何平均(log(CAC)スコア)も従来療法群で3.7倍高かった(p=0.014)。対照的に二次介入コホートの検討では,CAC>0の患者の割合(OR 0.94)およびCACスコアの幾何平均(p=0.87)に関して治療群による相違は認めなかった。両コホートを合わせた検討では,CAC>200の患者は従来療法群で有意に多かった(OR 1.65,95%CI 1.06-2.58,p=0.026)。
単変量解析および多変量解析の両方で,CT実施前または実施時におけるウエスト-ヒップ比,喫煙,高血圧,高コレステロール血症はCACと有意な相関を示した。また,単変量解析において,ベースライン,DCCT実施期間,EDIC実施期間におけるHbA1c値はCACと有意な相関を示した(p<0.01)。
●結論 DCCTにおいて実施された強化療法はアテローム性動脈硬化を抑制し,これは主としてHbA1c値の低下によるものであった。