編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bakris G, Molitch M, Hewkin A, Kipnes M, Sarafidis P, Fakouhi K, Bacher P, Sowers J, STAR Investigators: Differences in glucose tolerance between fixed-dose antihypertensive drug combinations in people with metabolic syndrome. Diabetes Care 2006; 29: 2592-2597. [PubMed]

メタボリックシンドロームを有するIGTの高血圧患者では,losartan/hydrochlorothiazide投与群では,trandolapril/verapamil徐放剤投与群に比べて,耐糖能やインスリン抵抗性が悪化し,糖尿病新規発症者も増加した。降圧効果はlosartan/hydrochlorothiazide投与群のほうがやや高かったが,耐糖能の悪化は低用量で降圧目標(SBP<130mmHg)を達成した例でもみられており,本合剤の使用に際しては十分に注意していく必要がある。【片山茂裕

●目的 耐糖能異常(IGT)を認める高血圧患者において,固定用量のACE阻害薬trandolapril/Ca拮抗薬verapamil徐放剤併用およびAII受容体拮抗薬losartan/利尿薬hydrochlorothiazide併用の耐糖能に対する効果を比較した。
一次アウトカムは52週後における75g OGTT 2時間値の変化。二次アウトカムはインスリン感受性,血圧値,新規糖尿病,脂質値,炎症性マーカー。
●デザイン 無作為,オープンラベル,多施設,intention-to-treat解析(有効性)。
●試験期間 登録期間は2004年3月~2005年9月。追跡期間は52週(平均46.9週)。
●対象患者 240例:IGTを認める高血圧患者。
登録基準:>21歳。メタボリックシンドロームの診断(空腹時血糖値100~125mg/dL,SBP<140mmHg[2種類の降圧薬服用]または≧130mmHgかつ<160mmHg[1種類の降圧薬服用],かつ以下の1つ以上に該当:HDL-C値<40mg/dL[男性]または<50mg/dL[女性],トリグリセリド値≧150mg/dL,ウエスト周囲径>40インチ[男性]または>35インチ[女性])。
除外基準:3種類以上の降圧薬を服用中の糖尿病。二次性高血圧。非ステロイド性抗炎症薬,シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬,ナイアシン(>100mg/日),ループ利尿薬の服用。腎不全(血清クレアチニン値>1.4mg/dLまたは尿中アルブミン-クレアチニン比>0.3g/g)。
●方法 患者をT/V群(trandolapril 2mg/日+verapamil徐放剤180mg/日:119例),L/H群(losartan 50mg/日+hydrochlorothiazide 12.5mg/日:121例)にランダム化。
SBP<130mmHgを目標とし,4週後に達成できない場合,T/V群では4/240mg,L/H群では100/25mgに増量。
●結果 試験終了時のOGTT 2時間値は,T/V群は変化がなかったのに対してL/H群では増加し,両群間に有意差が認められた(-0.21 vs +1.44mmol/L,p<0.001)。また,同時に測定されたインスリン値も,T/V群は低下したのに対してL/H群では増加し,両群間に有意差が認められた(-30.13 vs +84.86pmol/L,p=0.025)。12週後におけるインスリン抵抗性はL/H群で有意な悪化が認められた(0.000 vs -0.005,p=0.016)。試験終了時に糖尿病を新規発症した患者(11.0 vs 26.6%,p=0.002)およびHbA1c値>7%となった患者(2.6 vs 9.6%,p=0.05)はL/H群で有意に多かった。試験終了時における血圧値および目標血圧達成例の割合に関しては両群間に有意差はみられなかった。
●結論 腎機能が正常なIGTを認める高血圧患者において,固定用量のT/V併用はL/H併用に比して新規糖尿病発症リスクをより大きく低減した。