編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Mazzone T, Meyer PM, Feinstein SB, Davidson MH, Kondos GT, D'Agostino RB, Perez A, Provost JC, Haffner SM: Effect of pioglitazone compared with glimepiride on carotid intima-media thickness in type 2 diabetes: a randomized trial. JAMA 2006; 296: 2572-2581. [PubMed]

SU薬は日本においてもっとも頻用されている経口糖尿病薬であるが,本試験の結果は,「HbA1c値を1%下げるのにもっとも安価である」という理論の危うさを如実に証明しているものといえよう。糖尿病は血糖値をコントロールすることが最終目標ではなく,血糖コントロールは合併症を抑制するためのひとつの手段であるということを再確認したい。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病患者において,総頸動脈における頸動脈内膜-中膜壁肥厚(CIMT)の変化に対するpioglitazone(インスリン抵抗性改善薬)およびスルホニル尿素(SU)glimepirideの効果を比較した。
一次エンドポイントは左および右総頸動脈後壁の平均CIMTの変化。二次エンドポイントは最大CIMTの変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 試験期間は2003年10月~2006年5月。治療期間は72週。
●対象患者 462例:45~85歳の新規または既知の2型糖尿病患者(既知の糖尿病患者では,食事および運動療法,SU薬,metformin,インスリン,それらの併用療法のいずれかを実施されていること)。
登録基準:HbA1c値6.5~9%(血糖降下薬投与例)または6.5~10%(非投与例)。
除外基準:症候性冠動脈疾患,脳血管疾患,末梢動脈疾患。NYHA分類クラスIIIまたはIVの心不全。左室駆出率<40%。心不全に対する利尿薬またはACE阻害薬の使用。重度の弁膜症。過去12週以内のチアゾリジンジオン系薬剤の使用。SU薬またはチアゾリジンジオン系薬剤が無効またはそれらに対する不耐症。血糖コントロールにおける3剤以上の使用。原因不明の顕微鏡的血尿。トリグリセリド値>500mg/dL。血清クレアチニン値上昇。ヘモグロビン値低下。アラニントランスアミナーゼが正常上限の2.5倍以上。activeな肝疾患または黄疸。体重>135kgまたはBMI>45kg/m²。
●方法 患者をpioglitazone 15~45mg/日群(232例),glimepiride 1~4mg/日群(230例)にランダム化。
開始用量は,SU薬未投与例または低用量投与例ではそれぞれ15mg/日,1mg/日,その他の患者では30mg/日,2mg/日。空腹時血糖値≦140mg/dLを目標血糖値として用量を調整し,達成できない場合はmetforminまたはインスリンを併用。
24,48,72週後に高分解能Bモード頸動脈超音波検査を用いて平均および最大CIMTを測定。
●結果 平均CIMTは,試験期間を通じてpioglitazone群でglimepiride群に比して抑制されており,72週後における変化は,pioglitazone群で有意に小さかった(-0.001 vs 0.012mm,群間差-0.013mm,95%CI -0.024~-0.002,p=0.02)。72週後における最大CIMTの変化も,pioglitazone群で有意に小さかった(0.002 vs 0.026mm,群間差-0.024mm,95%CI -0.042~-0.006,p=0.008)。
平均CIMTに対するpioglitazoneの効果は,年齢,性別,SBP,糖尿病罹病期間,BMI,HbA1c値,スタチン系薬剤使用の有無にかかわらず同程度であった。
●結論 2型糖尿病患者において,18ヵ月にわたるpioglitazone投与は,glimepirideに比してCIMTの進展を抑制した。