編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Donahoe SM, Stewart GC, McCabe CH, Mohanavelu S, Murphy SA, Cannon CP, Antman EM: Diabetes and mortality following acute coronary syndromes. JAMA 2007; 298: 765-775. [PubMed]

ACS患者の30日後および1年後の全死亡率に及ぼす糖尿病の影響を調べた最新の成績といえる。ACS治療の著しい進歩にもかかわらず,糖尿病患者における死亡率は~2倍高く,今後,新しい血糖コントロールの治療法に関するさらなる検討が必要とされる。【片山茂裕

●目的 急性冠症候群(ACS)発症後の死亡に対する糖尿病の影響を検討した。
一次アウトカムはACS発症30日後および1年後の死亡率。
●デザイン pooled analysis。
●試験期間 -
●対象患者 62036例:TIMI Study Groupが1997~2006年に実施した11試験の参加者のうちACS患者(ST上昇を伴う心筋梗塞[STEMI]患者46577例,不安定狭心症または非STEMI[UA/NSTEMI]患者15459例)。
●方法 30日後および1年後における死亡率を糖尿病例(10613例[17.1%])と非糖尿病例(51423例[82.9%])で比較するとともに,糖尿病と死亡リスクの関係を多変量解析により検討。
●結果 30日後の死亡率は,UA/NSTEMI患者(2.1 vs 1.1%,p<0.001)およびSTEMI患者(8.5 vs 5.4%,p<0.001)ともに,糖尿病例で非糖尿病例に比して有意に高かった。ロジスティック回帰モデルを用いてベースラインにおける患者背景,ACS関連因子およびACS治療を補正すると,糖尿病は30日後における死亡リスクの増大と独立した相関を示した:糖尿病例における補正オッズ比(vs 非糖尿病例)は,UA/NSTEMI患者1.78(95%CI 1.24-2.56),STEMI患者1.40(95%CI 1.24-1.57)。
1年後の死亡率も同様に,UA/NSTEMI患者(7.2 vs 3.1%,p<0.001)およびSTEMI患者(13.2 vs 8.1%,p<0.001)ともに,糖尿病例で有意に高かった。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて補正後も,糖尿病は1年後における死亡リスクの増大と独立した有意な相関を示した:糖尿病例における補正ハザード比(vs 非糖尿病例)は,UA/NSTEMI患者1.65(95%CI 1.30-2.10),STEMI患者1.22(95%CI 1.08-1.38)。
ACS発症後早期の死亡率は,糖尿病の有無にかかわらずSTEMI患者でより高かったが,糖尿病を有するUA/NSTEMI患者ではその後の死亡率の上昇が急速であったため,それらの患者における1年後の死亡率は,非糖尿病のSTEMI患者の値に近づいていた(7.2 vs 8.1%)。
●結論 ACSに対して最新の治療が行われているにもかかわらず,糖尿病は顕著な予後不良をもたらすことが示された。このことは,不安定虚血性心疾患を有する高リスク例においては強力なマネジメントの実施が重要であることを強調している。