編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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●この論文は撤回されました
Shiga Microalbuminuria Reduction Trial (SMART) Group, , Sawaguchi M, Maegawa H, Kashiwagi A: Reduction of microalbuminuria in patients with type 2 diabetes: the Shiga Microalbuminuria Reduction Trial (SMART). Diabetes Care 2007; 30: 1581-1583. [PubMed]

日本人の微量アルブミン尿を有する高血圧の2型糖尿病患者において,valsartanとamlodipineを6ヵ月間投与し,降圧度とアルブミン尿の減少度を検討した試験で,いわばMARVAL試験の日本版である。MARVAL試験と同様,valsartan群のみでアルブミン尿が低下した。興味あることは,valsartan群ではSBPが130mmHg以上でも以下でもアルブミン尿の低下がみられたことで,これはAII受容体拮抗薬は血圧に依存しない腎保護作用を示すものといえる。【片山茂裕

●目的 日本人2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬valsartanおよびCa拮抗薬amlodipineの微量アルブミン尿に対する効果を比較した。
●デザイン 無作為,オープンラベル。
●試験期間 登録期間は2003年12月~2006年3月。
●対象患者 153例:罹病期間5年以上で微量アルブミン尿が持続的に認められる日本人2型糖尿病患者。
登録基準:尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)30~299μg/mg。≧140/90かつ≦180/110mmHg(降圧薬非服用例),または≧130/80かつ≦180/110mmHg(降圧薬服用例)。
除外基準:1型糖尿病,血清クレアチニン値>133mmol/L,血清カリウム値>5.6mmol/L,肝疾患または腎疾患(糖尿病性腎症を除く),過去6ヵ月以内の心血管事故,重度の末梢血管疾患,うっ血性心不全,妊娠またはその可能性。
●方法 valsartan群(80mg/日より投与開始),amlodipine群(5mg/日より投与開始)にランダム化。降圧目標を<130/80mmHgとし,4週目に達成できない場合は両群とも用量を2倍に増量。8週目になお達成できない場合はACE阻害薬以外の降圧薬を併用可とした。
●結果 解析可能症例は150例(valsartan群73例,amlodipine群77例;平均62歳)であった。
試験期間の両群における血圧の低下量は同等であった。しかし,valsartan群ではベースラインに比してACRが32%低下したのに対し,amlodipine群では18%上昇した(p<0.001)。またアルブミン尿の消失(23 vs 11%,p=0.011)あるいは改善(ACRの50%以上の低下:34 vs 16%,p=0.008)の達成率もvalsartan群で有意に高かった。さらに,valsartan群の血圧コントロール不良例(SBP≧130mmHg)におけるACRの低下は,amlodipine群の血圧コントロール良好例(SBP<130mmHg)に比して有意に大きかった(p<0.005)。
●結論 valsartanの微量アルブミン尿に対する効果は,amlodipineに比して有意に大きかった。したがって,valsartanをはじめとするAII受容体拮抗薬は,微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者に対する第一選択薬となり得ると考えられる。また,valsartanの抗蛋白尿作用は,降圧作用とは関係しないことが示唆された。