編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bogner HR, Morales KH, Post EP, Bruce ML: Diabetes, depression, and death: a randomized controlled trial of a depression treatment program for older adults based in primary care (PROSPECT). Diabetes Care 2007; 30: 3005-3010. [PubMed]

うつ病患者では糖尿病の発症率が高く,逆に糖尿病患者ではうつ病の発症率が2倍ぐらい高くなることから,両疾患の密接な関連が指摘されている。PROSPECT試験の糖尿病患者における本サブ解析では,糖尿病患者の通常のうつ病ケアに比べ,介入群では死亡率が約50%減少することが初めて示されたといえる。ちなみに,1000人・年あたりの死亡数は,通常ケア群103.4人,介入群68.2人であった。【片山茂裕

●目的 うつ病を有する高齢糖尿病患者において,プライマリケアにおけるうつ病マネジメントプログラムの実施が死亡リスクに及ぼす効果を検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 登録期間は1999年5月~2001年8月。追跡期間は52.0ヵ月(中央値)。
●対象患者 584例:米国の大都市部(ニューヨーク,フィラデルフィア,ピッツバーグ)に居住し,DSM-IVによりうつ病と診断され,かつ糖尿病の有無に関するデータの得られた≧60歳。平均70.3歳。123例(21.2%)が糖尿病の既往あり。
●方法 参加した20施設を所在地域,規模,受診患者の人種などにより10ペアとし,それらのペア内で介入群,通常ケア群にランダム割付け。
介入群では,うつ病ケアマネジャーがガイドラインに準じたうつ病ケアをプライマリケア医へ助言するほか,患者に治療遵守を促した。National Death Indexにより5年後の生存状況を調査。
●結果 追跡期間に110例が死亡した。
ベースラインにおける群間差を補正後,糖尿病を有するうつ病患者では,介入により通常ケアに比して死亡リスクが低下した(補正ハザード比[HR]0.49,95%CI 0.24-0.98)。一方,糖尿病のないうつ病患者では,介入による死亡リスクの低下は認めなかった(HR 0.79,95%CI 0.42-1.47)。
●結論 うつ病を有する高齢糖尿病患者では,プライマリケア施設におけるうつ病ケアの実施により,通常のケアに比して5年間の死亡リスクが低下した。