編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Alegria JR, Miller TD, Gibbons RJ, Yi QL, Yusuf S, Collaborative Organization of RheothRx Evaluation (CORE) Trial Investigators: Infarct size, ejection fraction, and mortality in diabetic patients with acute myocardial infarction treated with thrombolytic therapy. Am Heart J 2007; 154: 743-750. [PubMed]

今回の検討でも,STEMIを発症した糖尿病患者の死亡率は,非糖尿病患者に比べて4~6倍高いことが示された。この理由として,梗塞サイズが大きく,LVEFが低いことが示された。糖尿病患者では無痛性心筋梗塞が多く,以前に心筋梗塞を起こしていたり,無痛性のために診断がついて血栓溶解療法を行うまでの時間がかかることなどが考えられる。また,収縮能や拡張能が悪いことなども考えられ,今後さらに検討が必要である。【片山茂裕

●目的 ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)に対し血栓溶解療法を実施された糖尿病患者および非糖尿病患者において,梗塞サイズ,左室駆出率(LVEF),死亡率,ならびにそれらの関係を検討した。COREのサブ解析。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,多施設。
●試験期間 -
●対象患者 COREの参加者(STEMI患者2948例)のうち,サブ解析において梗塞サイズを評価された1164例(梗塞サイズ評価例)またはLVEFを評価された1137例(LVEF評価例)。
COREの登録基準:連続した2誘導以上で≧1mmのST上昇または左脚ブロックを認める。
COREの除外基準:<21歳,症状発現後>12時間が経過,緊急血行再建術の施行,血清クレアチニン値>2.5mg/dL,妊娠またはその可能性,RheothRx(Poloxamer-188)の使用歴,過去7日以内における治験中の薬剤または医療器具の使用。
●方法 血栓溶解療法実施後6~16日目に,1164例に対し99mTc sestamibiを用いたSPECTイメージングを実施し,梗塞サイズを評価。また,同時期に1137例に対し放射性核種血管造影を実施し,LVEFを評価。6ヵ月後に生存状況を追跡調査。
●結果 6ヵ月後における追跡完了率は96.7%。糖尿病の有病率は,梗塞サイズ評価例15.9%,LVEF評価例17.2%。両評価例ともに,高齢や心筋梗塞の既往といったリスク因子は,糖尿病患者で有意に多かった。
梗塞サイズ中央値は,糖尿病患者で有意に大きく(22 vs 17%,p=0.04),臨床因子(年齢,性別,心筋梗塞の既往,梗塞部位,Killip分類,血栓溶解療法実施までの時間)を補正後も有意な群間差が維持されていた(p=0.048)。また,LVEF中央値は糖尿病患者で有意に低く(48 vs 51%,p=0.002),臨床因子補正後も同様であった(p=0.007)。
6ヵ月後における死亡率は,梗塞サイズ評価例(5.9 vs 1.6%,p=0.002)およびLVEF評価例(6.1 vs 1.0%,p<0.0001)ともに糖尿病患者で有意に高かった。
多変量モデルによる解析を行ったところ,梗塞サイズ評価例では糖尿病(p=0.0037)および梗塞サイズ(p=0.0020),LVEF評価例では糖尿病(p<0.0001)およびLVEF(p=0.0003)が死亡の独立した予測因子であった。
●結論 STEMIを発症した糖尿病患者では,非糖尿病患者に比較して梗塞サイズがやや大きく,LVEFはやや低かった。糖尿病患者では非糖尿病患者に比較して死亡率が4~6倍高かったが,両患者における梗塞サイズおよびLVEFの差は,死亡率の差の一部に関与しているに過ぎなかった。