編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Marso SP, Miller T, Rutherford BD, Gibbons RJ, Qureshi M, Kalynych A, Turco M, Schultheiss HP, Mehran R, Krucoff MW, et al.: Comparison of myocardial reperfusion in patients undergoing percutaneous coronary intervention in ST-segment elevation acute myocardial infarction with versus without diabetes mellitus (from the EMERALD Trial). Am J Cardiol 2007; 100: 206-210. [PubMed]

糖尿病患者における心筋梗塞に際しては,PCI後にもST回復や心筋血流の回復が悪く,結果として梗塞サイズも大きくなることが示された。この結果,6ヵ月後の心不全の発症率や死亡率も,非糖尿病例に比べて高かった。【片山茂裕

●目的 経皮的冠インターベンション(PCI)を施行されたST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者において,心筋血流,梗塞サイズ,予後を糖尿病の有無により比較した。
エンドポイントはmyocardial blush grade(MBG),PCI施行30分後におけるST完全回復,梗塞サイズ。
●デザイン プロスペクティブ,無作為,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は6ヵ月。
●対象患者 501例:PCIを施行予定のSTEMI患者。
登録基準:症状発現後30分~6時間以内。連続した2誘導異常で≧2mmのST上昇。血栓溶解療法不成功後の初回またはrescue PCIにおける左脚ブロック。
除外基準:30日以内における多枝PCI,非保護左主幹部病変に対するPCI,バイパス術の必要性。
●方法 EMERALDのデータを用いて,PCI施行後の心筋血流(MBGおよびST完全回復),梗塞サイズ(5~14日目に99mTc SPECTにより評価),予後(30日後および6ヵ月後)を糖尿病の有無により比較。
●結果 62例(12%)が糖尿病を有していた。
TIMI grade 3 flowは糖尿病例および非糖尿病例で同等であったが(91.7 vs 90.2%,p=1.0),心筋血流は糖尿病例で有意に障害されていた(MBG 0/1:33.9 vs 15.7%,p=0.0017,30分後のST完全回復:44.5 vs 65%,p=0.0048)。また,糖尿病例では梗塞サイズが有意に大きく(19.5 vs 11%,p=0.0052),6ヵ月後における重度うっ血性心不全の新規発症が有意に多く(6 vs 1%,p=0.04),30日後(10 vs 1%,p<0.001)および6ヵ月後(12 vs 2.2%,p<0.0001)における死亡率が有意に高かった。
多変量解析において,糖尿病は,ST完全回復の非発生(ハザード比0.39,p=0.01)および6ヵ月後の死亡(ハザード比8.80,p=0.0007)の有意な予測因子であった。
●結論 初回PCIを施行されたSTEMI患者において,糖尿病は,心筋血流の低下,梗塞サイズの増大,うっ血性心不全の発生,生存率の低下と独立した相関を示した。