編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1168報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Nissen SE, Nicholls SJ, Wolski K, Nesto R, Kupfer S, Perez A, Jure H, De Larochelliere R, Staniloae CS, Mavromatis K, et al.: Comparison of pioglitazone vs glimepiride on progression of coronary atherosclerosis in patients with type 2 diabetes: the PERISCOPE randomized controlled trial. JAMA 2008; 299: 1561-1573. [PubMed]

チアゾリジン薬の抗動脈硬化作用を,イベントとしてだけでなく,より具体的な冠動脈の画像検査ではっきりと証明できたという点で,本薬の同作用をより説得力のあるものとしたといえよう。【河盛隆造

●目的 冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者において,インスリン抵抗性改善薬pioglitazoneとスルホニル尿素(SU)薬glimepirideのアテローム性動脈硬化抑制効果を比較した。
主要アウトカムはアテローム体積率(percent atheroma volume:PAV)の変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設(97施設,北米および南米)。
●試験期間 登録期間は2003年8月5日~2006年3月31日。投与期間は18ヵ月。
●対象患者 冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者547例。
登録基準:35~85歳,HbA1c値6.0~9.0%(経口血糖降下薬服用例)または6.5~10.0%(非服用例),冠動脈造影において狭窄率≧20%の狭窄部位が1ヵ所以上。
除外基準:1型糖尿病,糖尿病治療薬を3剤以上服用,過去12週以内のチアゾリジンジオン系薬剤服用,血清クレアチニン値>2.0mg/dL,トリグリセリド(TG)値>500mg/dL,コントロール不良の高血圧(>160/100mmHg),activeな肝疾患,左冠動脈主幹部の狭窄率>50%。
●方法 glimepiride群(273例),pioglitazone群(274例)にランダム化し,18ヵ月投与。
初回投与量は,経口血糖降下薬未投与例およびglimepiride 2mg/日(または同等用量のSU薬)未満投与例ではglimepiride 1mgまたはpioglitazone 15mgとし,glimepiride 2mg/日(または同等用量のSU薬)以上投与例およびmetformin単独投与例ではglimepiride 2mgまたはpioglitazone 30mgとした。その後16週目まで,空腹時血糖値>140mg/dLの場合に増量を実施(glimepirideは2mgまたは4mgへ,pioglitazoneは30mgまたは45mgへ)。HbA1c値<7.0%を目標値とし,metforminまたはインスリンの追加併用あるいは増量は可。なお,試験期間中は他のSU薬およびインスリン分泌促進薬は中止。
血管内超音波検査(IVUS)をベースラインおよび18ヵ月後に行い,最小二乗法により平均PAVを算出して,アテローム性硬化症の進行状況を評価。
●結果 ベースラインおよび18ヵ月後ともにIVUSが評価可能であった360例(glimepiride群181例,pioglitazone群179例)の検討において,平均PAVは,glimepiride群で0.73%増加したが(95%CI 0.33~1.12),pioglitazone群では0.16%低下し(95%CI -0.57~0.25),両群間に有意差が認められた(p=0.002)。また,IVUS非完了例を含めた543例(試験薬服用例:それぞれ273例,270例)について,ベースラインの患者背景に基づいた検討を行った場合も,平均PAVはglimepiride群で0.64%増加したが(95%CI 0.23~1.05),pioglitazone群では0.062%低下し(95%CI -0.47~0.35),両群間に有意差が認められた(p=0.02)。
平均HbA1c値のベースラインからの低下は,pioglitazone群で有意に大きかった(-0.36%[95%CI -0.48~-0.24] vs -0.55%[95%CI -0.68~-0.42],p=0.03)。またpioglitazone群では,平均HDL-C値(0.9mg/dL[95%CI -0.3~2.1]:変化率4.1% vs 5.7mg/dL[95%CI 4.4~7.0]:変化率16.0%)およびTG中央値(+3.3mg/dL[95%CI -10.7~11.7]:変化率0.6% vs -16.3mg/dL[95%CI -27.7~-11.0]:変化率-15.3%)も,有意に大きな改善を認めた(いずれもp<0.001)。空腹時インスリン中央値は,glimepiride群で8.5%増加したのに対し,pioglitazone群では28.3%低下した(p<0.001)。
低血糖はglimepiride群で有意に多かった(37.0 vs 15.2%,p<0.001)。一方,浮腫(11.0 vs 17.8%,p=0.02),骨折(0 vs 3.0%,p=0.004),ヘモグロビン値の低下>3g/dL(0.7 vs 4.1%,p=0.01)はpioglitazone群で有意に多かった。
●結論 冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者において,pioglitazoneはアテローム性硬化症の進行率をglimepirideに比して有意に大きく低下させることが示された。