編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年2月現在,1152報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Ray KK, Cannon CP, Morrow DA, Kirtane AJ, Buros J, Rifai N, McCabe CH, Gibson CM, Braunwald E: Synergistic relationship between hyperglycaemia and inflammation with respect to clinical outcomes in non-ST-elevation acute coronary syndromes: analyses from OPUS-TIMI 16 and TACTICS-TIMI 18. Eur Heart J. 2007; 28: 806-13. [PubMed]

-

●目的 非ST上昇型急性冠症候群(ACS)患者において,糖尿病と炎症の関係,および高血糖と炎症が臨床アウトカムに及ぼす相乗作用について検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 追跡期間はOPUS-TIMI 16は平均6ヵ月,TACTICS-TIMI 18は6ヵ月。
●対象患者 OPUS-TIMI 16参加者(発症後72時間以内のACS患者10288例)のうちC反応性蛋白(CRP)のデータが得られた非ST上昇型ACS患者2200例,およびTACTICS-TIMI 18参加者(非ST上昇型ACS患者)のうち早期侵襲的治療群に割り付けられ,CRPのデータが得られた929例。糖尿病患者はそれぞれ541例,267例。
●方法 OPUS-TIMI 16のCRP,単球遊走因子-1(MCP-1),von Willebrand因子(vWF)のデータを用い,糖尿病の有無により比較。CRP値および糖尿病の有無により層別化して,死亡+心筋梗塞(MI)リスクを比較。血糖値上昇に伴う死亡+MIリスクの増大をCRP値により比較。また,TACTICS-TIMI 18のCRPのデータを用いて検証を実施。
●結果 OPUS-TIMI 16の検討において,糖尿病患者では非糖尿病患者に比し,CRP中央値(9.0 vs 7.8mg/L,p=0.002)およびMCP-1中央値(190.6 vs 170.8pg/mL,p=0.04)が有意に高く,TACTICS-TIMI 18の検討でも,糖尿病患者でCRP中央値が有意に高かった(6.6 vs 5.2mg/L,p=0.0005)。また,予想された通り,両試験ともに,糖尿病患者で有意に血糖値が高かった(いずれもp<0.0001)。
多変量解析では,OPUS-TIMI 16参加者をCRP値および糖尿病の有無により層別化すると,CRPが中央値以上の糖尿病患者で死亡+MIリスクがもっとも高かった(CRPが中央値未満の非糖尿病患者に対する補正ハザード比[HR]1.63,95%CI 1.20-2.23,p=0.002)。CRPの代わりにMCP-1値(HR 1.54,95%CI 0.86-2.75,p=0.10)またはvWF値(HR 2.08,95%CI 1.05-4.14,p=0.036)を用いた場合も,同様に中央値以上の糖尿病患者でリスクがもっとも高かった。さらに,TACTICS-TIMI 18参加者におけるCRP値と糖尿病の有無による解析でも,同様の結果が得られた(HR 2.65,95%CI 1.20-5.88,p=0.016)。
糖尿病を補正すると,血糖値1mmol/Lの上昇に伴う死亡+MIリスクの増大は,CRPが中央値未満の患者(HR 1.02,95%CI 0.97-1.06)に比して,中央値以上の患者(HR 1.07,95%CI 1.03-1.11)で大きかった(P for interaction=0.045)。多変量解析でも,血糖値とCRP値の相乗作用は,死亡+MIリスクの増大と有意な相関を維持していた(p=0.01)。TACTICS-TIMI 18参加者においても同様のパターンが認められた。
●結論 非ST上昇型ACS患者において,糖尿病は炎症の増大および血糖値の上昇の両方に関係しており,高血糖および炎症の両方を有する患者では臨床アウトカムがより不良であった。今後,高血糖および炎症の良好なコントロールが糖尿病患者の心血管リスクに及ぼす効果について検討を行うべきである。