編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Weng J, Li Y, Xu W, Shi L, Zhang Q, Zhu D, Hu Y, Zhou Z, Yan X, Tian H, et al.: Effect of intensive insulin therapy on beta-cell function and glycaemic control in patients with newly diagnosed type 2 diabetes: a multicentre randomised parallel-group trial. Lancet 2008; 371: 1753-1760. [PubMed]

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●目的 新規2型糖尿病患者において,短期的な強化インスリン療法(持続的皮下インスリン注入[CSII],インスリン頻回注射[MDI])と経口血糖降下薬(OHA)療法の膵β細胞機能および血糖コントロールに対する有効性を比較。
一次エンドポイントは目標血糖値達成までの期間,治療終了1年後における目標血糖値維持率。二次エンドポイントは膵β細胞機能。
●デザイン 無作為,パラレル,多施設(9施設,中国),per-protocol解析。
●試験期間 登録期間は2004年9月~2006年10月。
●対象患者 382例:25~70歳の新規2型糖尿病患者。
登録基準:空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値7.0~16.7mmol/L。
除外基準:急性または重度の糖尿病性合併症,重度の併発症,グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体陽性,若年例の成人発症型糖尿病,ミトコンドリア糖尿病。
●方法 3~7日のrun-in期間(食事療法を実施)後,CSII群(137例),MDI群(124例),OHA群(121例)にランダム化。
CSII群ではインスリンポンプを用いてヒトインスリン注入。MDI群では食前に速効型インスリン,就寝時にヒトインスリンNPHを皮下注。両インスリン療法群ともに0.4~0.5IU/kgから投与開始(CSII群:1日用量の50%を基礎注入,残りの50%をボーラス注入。MDI群:30%-20%-20%-30%に分配)。OHA群では,BMI 20~25kg/m²の患者に対してはgliclazide 80mg×2回/日より開始し,最大160mg×2回/日まで増量。BMI 25~35kg/m²の患者に対してはmetformin 0.5mg×2回/日より開始し,最大2.0g/日まで増量。
目標血糖値は空腹時血糖値<6.1mmol/Lおよび食後2時間値<8.0mmol/Lとし,両インスリン療法群では連日,OHA群では3日ごとに用量調整を実施。目標血糖値達成から2週間後に治療を終了し,その後は食事療法および運動療法のみを実施。
治療前,治療終了後,1年後に血糖値,プロインスリン値,脂質値などを測定するとともに,静脈ブドウ糖負荷試験を実施し,初期インスリン分泌反応(acute insulin response)およびHOMA-Bにより膵β細胞機能を評価。
●結果 両インスリン療法群ではOHA群に比して,目標血糖値の達成率が高く(CSII群97.1%[133例],MDI群95.2%[118例],OHA群83.5%[101例]),達成までの期間も短かった(それぞれ4.0±2.5日,5.6±3.8日,9.3±5.3日;p<0.0001 vs CSII群,p=0.01 vs MDI群)。1年後における目標血糖値維持率も,両インスリン療法群で有意に高かった(それぞれ51.1%,44.9%,26.7%;p=0.0012)。
HOMA-Bおよび初期インスリン分泌反応は,治療後に全群で有意に改善された(p<0.0001)。
目標血糖値が12ヵ月以上にわたって維持された患者における検討では,両インスリン療法群における初期インスリン分泌反応の増大は1年後も維持されていたが,OHA群では有意な低下がみられた(p<0.0001)。
●結論 新規2型糖尿病患者において,早期強化インスリン療法では経口血糖降下薬に比し,膵β細胞機能の回復および維持,正常血糖値維持に関してのアウトカムが良好であった。