編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Parving HH, Persson F, Lewis JB, Lewis EJ, Hollenberg NK, AVOID Study Investigators: Aliskiren combined with losartan in type 2 diabetes and nephropathy. N Engl J Med 2008; 358: 2433-2446. [PubMed]

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の抑制が糖尿病性腎症の発症・進展の抑制に有効であることは確立している。しかし,この系の単独の遮断が二重の遮断よりも有効であるか否かは明らかでない。本研究ではlosartanとaliskirenの併用はlosartan単独よりも尿アルブミン-クレアチニン比に対して優っていたが,今後,レニン阻害薬,ACE阻害薬,AII受容体拮抗薬,アルドステロン遮断薬について,どの組み合わせが有効であるかについてのより長期の検討が必要であろう。【景山 茂

●目的 高血圧および腎症を有する2型糖尿病患者において,最大用量のAII受容体拮抗薬losartan+直接的レニン阻害薬aliskiren併用療法の腎保護効果および安全性を検討した。
一次アウトカムは6ヵ月後のアルブミン-クレアチニン比(ACR)の低下(早朝尿にて評価)。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(15ヵ国,150施設)。
●試験期間 試験期間は6ヵ月。
●対象患者 599例:18~85 歳の高血圧および腎症を有する2型糖尿病患者。
採用基準:早朝尿のACR>300mg/gまたは>200mg/g(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系[RAAS]の阻害を目的とした治療を受けている場合)。
除外基準:非糖尿病性腎症,尿中ACR>3500mg/g,推定糸球体濾過量<30ml/分/1.73m²,慢性尿路感染症,血清カリウム値>5.1mmol/L,重症高血圧,6ヵ月以内の主要な心血管疾患。
●方法 オープンラベルの3ヵ月のrun-in期間後,aliskiren群(301例),プラセボ群(298例)にランダム化し,6ヵ月投与。
・run-in期間にはRAASを阻害する薬剤の投与は中止し(β遮断薬を除く),<130/80mmHgを目標としてlosartan 100mg/日および他の降圧治療を開始。
・aliskiren群では,150mg/日を3ヵ月投与後,300mg/日に増量して3ヵ月投与。
●結果 6ヵ月後の平均ACRは,aliskiren群ではプラセボ群に比し20%低下した(95%CI 9-30,p<0.001)。ACRの50%を超える低下を認めた症例の割合は,aliskiren群24.7%,プラセボ群12.5%であった(p<0.001)。
6ヵ月後の平均血圧は,aliskiren群ではプラセボ群に比し,SBPは2mmHg(p=0.07),DBPは1mmHg(p=0.08)低かった。
すべての有害事象の頻度(66.8 vs 67.1%)および重篤な有害事象の頻度(9.0 vs 9.4%)は両群で同等であった。
●結論 最大用量のlosartan投与を受けている高血圧および腎症を有する2型糖尿病患者において,aliskirenは降圧効果とは独立した腎保護効果を有する可能性が示された。