編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hotta N, Kawamori R, Atsumi Y, Baba M, Kishikawa H, Nakamura J, Oikawa S, Yamada N, Yasuda H, Shigeta Y, et al.: Stratified analyses for selecting appropriate target patients with diabetic peripheral neuropathy for long-term treatment with an aldose reductase inhibitor, epalrestat. Diabet Med 2008; 25: 818-825. [PubMed]

ADCT試験では,すでにepalrestat投与群でMNCVの低下が対照群に比し有意に抑制されることが報告されている。今回のサブ解析では,血糖コントロールの良好な患者(HbA1c値≦7.0%)や網膜症または蛋白尿のない患者で症状がより改善することが明らかになった。また症状の改善した患者では,MNCVの低下が軽度であることが明らかになった。【片山茂裕

●目的 糖尿病性末梢神経障害患者の症状および神経機能に対するアルドース還元酵素阻害薬epalrestatの長期効果を評価し,同剤の適切な投与対象を明らかにする。ADCTのサブ解析。
●デザイン 無作為,多施設(日本,112施設)。
●試験期間 ADCTの実施期間は1997~2003年。
●対象患者 504例:ADCTの参加者(軽度の糖尿病性末梢神経障害患者)のうち,症状の変化および血糖コントロールに関するデータの得られた例(epalrestat群231例,対照群273例)。
ADCTの登録基準:運動神経伝導速度(MNCV)中央値≧40m/秒,血糖コントロールの安定(HbA1c値≦9.0%で過去3ヵ月における変動が±0.5%)。
除外基準:糖尿病を主要原因としない神経障害,末梢動脈疾患,重度の肝障害または腎障害,他試験への参加,糖尿病性神経障害に対する他の試験薬の投与,プロスタグランジンE1製剤または糖尿病性神経障害の症状に影響を及ぼす薬剤の投与。
●方法 ADCTでは,epalrestat(150mg/日[分3])群,対照群にランダム化。全例で通常の治療(食事療法,経口血糖降下薬,インスリン,降圧薬)を継続。
本解析では,ADCTで得られた3年間のHbA1c値,症状,神経機能の縦断データを用いて,背景因子(HbA1c値,網膜症の重症度,蛋白尿の重症度)と症状改善の程度の関係,ならびに症状改善の有無と神経機能の変化の関係を検討。また,神経機能および症状に基づいたepalrestat奏効のオッズ比(vs対照群)を多重ロジスティック回帰分析により評価。
●結果 epalrestat群では,血糖コントロールが良好な患者,網膜症および蛋白尿の重症度が低い患者で,1~3年後における症状改善がより大きかった。
3年後における症状改善の有無と神経機能の変化の関係をみると,対照群では症状改善の有無にかかわらず神経機能は悪化していたが,epalrestat群では症状が改善した患者の神経機能は改善していた。
epalrestat奏効のオッズ比は,全例では1.90(95%CI 1.32-2.75,p<0.001),HbA1c値≦7.0%の患者では3.68(95%CI 1.61-8.43,p=0.002)であった。
●結論 適切な患者に投与した場合,epalrestatは糖尿病性神経障害の臨床における重要な予防法かつ治療法になることが示唆された。