編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ogihara T, Nakao K, Fukui T, Fukiyama K, Ueshima K, Oba K, Sato T, Saruta T, Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan Trial Group: Effects of candesartan compared with amlodipine in hypertensive patients with high cardiovascular risks: candesartan antihypertensive survival evaluation in Japan trial. Hypertension 2008; 51: 393-398. [PubMed]

CASE-J試験は,valsartanとamlodipineを比較したVALUE試験のいわば日本版といえる。血圧がamlodipine群でやや低くなったが,心血管イベントの発症率に差は認められなかった。この意味では,脳卒中のほうが冠動脈疾患の発症率よりまだ高く,欧米と疾病構成が異なる日本人においても,ARBとCa拮抗薬との同等性が示されたといえる。またもうひとつの欧米人との差異は,日本人は欧米人ほど肥満者が多くないことである。実際,CASE-J試験での平均BMIは24.6であり,VALUEの28.6とは大きく異なる。このような集団でも,糖尿病の新規発症率がcandesartan群でamlodipine群に比べ36%とVALUE試験以上に減少したことは,臨床的意義が大きいといえる。さらに,日本人においてARBの心血管イベント抑制効果はBMIが高いほど大きかったことも特筆されるだろう。【片山茂裕

●目的 高リスクの日本人高血圧患者において,AII受容体拮抗薬candesartanおよびCa拮抗薬amlodipineの心血管疾患,心血管死,新規糖尿病発症に対する効果を比較検討した。
一次エンドポイントは致死性または非致死性心血管イベント(突然死,脳血管イベント[脳卒中,一過性虚血発作],心イベント[心不全,狭心症,急性心筋梗塞],腎イベント[血清クレアチニン値≧4.0mg/dLまたは2倍以上の上昇,末期腎不全]+血管イベント[解離性大動脈瘤,動脈硬化性末梢動脈閉塞])。二次エンドポイントは全死亡,新規糖尿病発症,有害事象による試験薬の中止。
●デザイン プロスペクティブ,無作為,オープン,パラレル,多施設,intention-to-treat解析(有効性)。
●試験期間 登録期間は2001年9月~2002年12月。2006年1月1日試験終了。追跡期間は平均3.2年。
●対象患者 4728例:高リスクの日本人高血圧患者。平均63.8歳,平均BMI 24.6kg/m²。
登録基準:<70歳ではSBP≧140mmHgまたはDBP≧90mmHg,≧70歳ではSBP≧160mmHgまたはDBP≧90mmHg。以下のひとつ以上に該当:重症高血圧(SBP≧180mmHgまたはDBP≧110mmHg,2型糖尿病,過去6ヵ月以前の脳卒中または一過性虚血発作,過去6ヵ月以前の左室肥大・狭心症・心筋梗塞,蛋白尿または血清クレアチニン≧1.3mg/dL,動脈硬化性末梢動脈閉塞。
●方法 candesartan群(4~8mg/日,必要に応じて12mg/日まで増量),amlodipine群(2.5~5.0mg/日,必要に応じて10mg/日まで増量)にランダム化。
試験開始後は他のAII受容体拮抗薬およびCa拮抗薬,ACE阻害薬の服用は禁止し,試験開始前から服用していた利尿薬,α遮断薬,β遮断薬,αβ遮断薬は継続可。
降圧目標は,<60歳は<130/85mmHg,60~69歳は<140/90mmHg,70~79歳は<150/90mmHg,≧80歳は<160/90mmHg。
●結果 解析可能症例は4703例であった(candesartan群2354例,amlodipine群2349例)。
両群ともに3年後の血圧コントロールは良好であった(candesartan群136.1/77.3mmHg,amlodipine群134.4/76.7mmHg)。
一次エンドポイントは両群とも134例(5.7%)に発生し,有意差はみられなかった(ハザード比[HR]1.01,95%CI 0.79~1.28,p=0.969)。一次エンドポイントの個々のイベントについても両群間に有意差はみられなかった。
二次エンドポイントについては,全死亡には両群間に有意差はみられなかったが(9.4 vs 11.1/1000人・年),新規糖尿病発症はcandesartan群でamlodipine群に比して有意に少なく(8.7 vs 13.6/1000人・年),リスクは36%低かった(HR 0.64,95%CI 0.43~0.97,p=0.033)。
●結論 心血管イベントについてはcandesartanとamlodipineの間に有意差はみられなかったが,新規糖尿病発症の予防に関してはcandesartanのほうが効果的であることが示された。