編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Albers JW, Herman WH, Pop-Busui R, Martin CL, Cleary P, Waberski B, Diabetes Control and Complications Trial (DCCT)/Epidemiology of Diabetes Intervention and Complications (EDIC) Research Group: Subclinical neuropathy among Diabetes Control and Complications Trial participants without diagnosable neuropathy at trial completion: possible predictors of incident neuropathy? Diabetes Care 2007; 30: 2613-2618. [PubMed]

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●目的 DCCTにおける強化療法群の患者では,従来療法群の患者に比して,DCCT終了後(EDIC追跡試験)においても神経障害発生率が低いことから,DCCT終了時における潜在性神経障害を評価し,その群間差がその後の神経障害発生リスクに影響しているかを検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 DCCTの実施期間は1983~1993年。
●対象患者 1253例:DCCT参加者(1型糖尿病患者1441例)のうち,試験終了時に臨床的に確定された神経障害を認めなかった患者。
DCCTの登録基準:罹病期間1~15年,治療を要する神経障害を有さない,細小血管障害を有さないまたはわずかである。
●方法 DCCTでは,強化療法群(インスリン3~4回/日[注射またはインスリンポンプ]),従来療法群(インスリン1~2回/日注射)にランダム化し,平均6.5年にわたって追跡。
本解析では,DCCT終了時の神経伝導検査10項目(正中神経[運動神経の振幅・伝導速度・F波潜時,感覚神経の振幅・伝導速度],腓骨神経[振幅・伝導速度・F波潜時],腓腹神経[振幅・伝導速度])を,以下の4つのサブグループについて強化療法群および従来療法群で比較。
・サブグループ1(1253例):臨床的に確定された神経障害(臨床的に確実な神経障害および神経伝導検査における異常)を認めた患者を除外。
・サブグループ2(1175例):臨床的に確実な神経障害(遠位性対称性多発神経障害にみられる症状,感覚信号,反射の減弱または消失のうち2つ以上を認める)を認めた患者を除外。
・サブグループ3(800例):神経障害の疑い(遠位性対称性多発神経障害にみられる症状,感覚信号,反射の減弱または消失のいずれかを認める)または臨床的に確実な神経障害を認めた患者を除外。
・サブグループ4(589例):無症候性神経障害(臨床的に確実な神経障害は認めないが神経伝導検査異常を認める),神経障害の疑い,臨床的に確実な神経障害を認めた患者を除外。
●結果 サブグループ1の強化療法群では,神経伝導検査10項目のうち,下肢の全評価項目を含む8項目(正中運動神経および正中感覚神経の振幅をのぞく)が従来療法群に比して有意に改善していた(いずれもp<0.0001[正中感覚神経の伝導速度のみp<0.001])。伝導速度の群間差は大きく,腓骨神経については強化療法群で3.1m/秒速く(45.1 vs 42.0m/秒),正中運動神経についても強化療法群で2m/秒以上速かった(55.0 vs 52.9m/秒)。サブグループ2,3,4の検討においても,正中運動神経および腓骨神経の伝導速度は強化療法群で有意に速かった(いずれもp<0.0001)。
●結論 DCCT終了時に診断可能な神経障害を認めなかった患者の検討において,強化療法群では従来療法群に比して神経伝導検査の評価項目が有意に良好であった。DCCT終了後の神経障害発生率に関する群間差の一部は,代謝機能に対する効果が維持されているためではなく,DCCT終了時における潜在性神経障害レベルを反映しているものと考えられる。