編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年5月現在,1161報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Morimoto A, Nishimura R, Matsudaira T, Sano H, Tajima N, Diabetes Epidemiology Research International Study Group: Is pubertal onset a risk factor for blindness and renal replacement therapy in childhood-onset type 1 diabetes in Japan? Diabetes Care 2007; 30: 2338-2340. [PubMed]

-

●目的 失明および腎代替療法のリスクを1型糖尿病の発症時期(思春期前または思春期)により比較した。
●デザイン 観察研究。
●試験期間 1960年代コホート(1965~1969年に診断され,1970年1月1日時点で生存)では1970年1月1日,1970年代コホート(1970~1979年に診断され,1980年1月1日時点で生存)では1980年1月1日に追跡開始。
追跡期間は思春期前発症例16.1年,思春期発症例15.8年。
●対象患者 1408例:診断時年齢<18歳で診断後1ヵ月以内にインスリン投与が開始された1型糖尿病患者。
●方法 診断時年齢が男子≧12歳,女子≧11歳の場合を思春期発症とし,対象患者を思春期前発症例965例(診断時年齢6.7歳)と思春期発症例443例(診断時年齢13.5歳)に分類。
1995年1月1日時点における失明および腎代替療法の状況に関して担当医に対する質問票調査を実施し,それらを思春期前発症例および思春期発症例で比較。
●結果 失明に至ったのは思春期前発症例52例,思春期発症例45例(p=0.0003),腎代替療法が実施されたのはそれぞれ64例,78例(p<0.0001)であった。失明および腎代替療法の累積発生率はいずれも思春期発症例で有意に高かったが(それぞれp=0.0016,p<0.0001),18歳以上の患者のみを対象とした検討では,両症例間に有意差は認められなかった。
追跡期間15年時点において,思春期発症例では思春期前発症例に比して失明リスクが2.15倍(95%CI 1.43-3.24,p=0.0002),腎代替療法リスクが4.00倍(95%CI 2.74-5.84,p<0.0001)に増大していた。
また,コホート別に検討すると,1960年代コホートは失明(オッズ比4.07,95%CI 2.52-6.58,p<0.0001)および腎代替療法(オッズ比3.13,95%CI 2.01-4.89,p<0.0001)の有意なリスク因子であった。
●結論 思春期に発症した1型糖尿病患者では,思春期前に発症した同患者に比して失明および腎代替療法のリスクが増大していたことから,思春期発症例に対しては,とくに注意深い観察を行うべきであると考えられる。また発症時年齢にかかわらず,到達年齢はそれらの細小血管障害の決定因子であった。