編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Haritoglou C, Gerss J, Sauerland C, Kampik A, Ulbig MW, CALDIRET study group: Effect of calcium dobesilate on occurrence of diabetic macular oedema (CALDIRET study): randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial. Lancet 2009; 373: 1364-1371. [PubMed]

calcium dobesilateは静脈潅流障害や痔核などに使われてきた薬剤である。毛細血管の透過性や血小板凝集や血液粘度を減少させる作用を有するといわれている。
CALDIRET試験は,このcalcium debesilateが軽度~中等度の非増殖性網膜症を有する2型糖尿病患者で黄斑浮腫の発症を予防するか否かを検討した試験であるが,有効性は示されなかった。【片山茂裕

●目的 軽度~中等度の非増殖性糖尿病網膜症を有する2型糖尿病患者において,ドベシル酸カルシウムの黄斑浮腫発症予防効果を検討した。
一次エンドポイントはレーザー治療を有する臨床的に有意な黄斑浮腫(CSME)の発症。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(11ヵ国,40施設),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は1996年9月~1999年1月。追跡期間中央値は5年(~2004年6月17日)。
●対象患者 635例:40~69歳で,軽度~中等度の非増殖性糖尿病網膜症を有する成人発症2型糖尿病外来患者。
除外基準:12ヵ月以内のドベシル酸カルシウム治療,視神経円板の血管新生,その他の血管新生,前網膜出血,黄斑浮腫の兆候(網膜肥厚または硬性白斑など),網膜検査および高画質写真検査を妨げる白内障または他の混濁,他の網膜疾患,緑内障,プロトコールで認められていない薬剤の併用(アスピリン,他の抗凝固薬,アルドース還元酵素阻害薬,他の治験薬など),プロトコールで認められていない糖尿病網膜症治療(レーザー治療,凍結凝固治療,硝子体茎切除術など),妊娠,授乳中,薬物またはアルコール乱用歴,ドベシル酸カルシウムまたは他の類似薬に対するアレルギー性過敏症,他の診療試験への参加,悪性高血圧,肝または腎不全,悪性疾患または他の生命に危険を及ぼす疾患。
●方法 ドベシル酸カルシウム(1500mg/日[分3])群(324例),プラセボ群(311例)にランダム割付け。
●結果 CSMEを発症したのはドベシル酸カルシウム群86例,プラセボ群69例で,脱落例を含めて考えると,CSMEの推定5年累積発症率はそれぞれ35%,28%であった(ハザード比1.32,95%CI 0.96-1.81,p=0.0844)。
有害イベントの発生は両群で同等で(78例[24%] vs 90例[29%]),薬剤関連の合併症は認められなかった。死亡例は同等であった(9例[3%] vs 8例[3%])。
●結論 2型糖尿病患者において,ドベシル酸カルシウムのCSME発症予防効果は認められなかった。