編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gupta AK, Dahlof B, Dobson J, Sever PS, Wedel H, Poulter NR, Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial Investigators: Determinants of new-onset diabetes among 19,257 hypertensive patients randomized in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial--Blood Pressure Lowering Arm and the relative influence of antihypertensive medication. Diabetes Care 2008; 31: 982-988. [PubMed]

ASCOT試験の血圧降下アーム(BPLA)では,Ca拮抗薬(±ACE阻害薬)群ではβ遮断薬(±利尿薬)群に比べて心血管イベントが10%減少し,糖尿病の新規発症(NOD)が30%減少したことがすでに報じられている。今回は,NODに及ぼす因子の詳細な解析が報告された。まず,高血圧患者からのNOD率は18.6/1,000人・年であった。NODには,ベースライン時の空腹時血糖値・BMI・血清トリグリセリド濃度・収縮期血圧などが関与することが改めて再確認された。空腹時血糖値の1mmol/L (18mg/dL)の上昇は5.8倍,BMIの5増加は1.49倍のハザード比となった。Ca拮抗薬(±ACE阻害薬)群ではβ遮断薬(±利尿薬)投与群に比べて,NODのハザード比は0.66であった。他にNODを減らす要因として,HDL-C高値・飲酒・55歳以上の年齢が抽出されたことは興味深い。年齢については,高齢者になるほど糖尿病の有病率は高くなるが,NODという観点からみると,55歳以上ではNODがほぼプラトーになるということかもしれない。【片山茂裕

●目的 高血圧患者において,新規糖尿病発症(NOD)の予測因子を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 追跡期間は5.5年(中央値)。
●対象患者 14120例:ASCOT-BPLAの参加者19257例のうち,ベースラインに糖尿病を認めない患者。
ASCOT-BPLA試験の採用基準:40~79歳,心血管リスクを3つ以上有する,冠動脈心疾患の既往なし。
●方法 ASCOT-BPLA試験では,β遮断薬atenolol群(利尿薬の併用あり),Ca拮抗薬amlodipine群(ACE阻害薬perindoprilの併用あり)にランダム割付け。
本解析では,Cox比例ハザードモデルによりNODの予測因子を特定。対象例はatenolol群7046例,amlodipine群7074例。
●結果 NODを認めたのは1366例(atenolol群799例,amlodipine群567例)であった。
NODはベースラインの空腹時血糖(FPG)値(>5mmol/Lの場合,1mmol/L上昇によるハザード比[HR]:5.8),BMI(≦35kg/m²の場合,5kg/m²上昇によるHR:1.49),血清トリグリセリド値(1mmol/L上昇によるHR:1.12),SBP(10mmHg上昇によるHR:1.07)と有意な相関を認めた(いずれもp<0.001)。一方,amlodipine治療(atenolol治療に対するHR:0.66,p<0.001),HDL-C高値(1mmol/L上昇によるHR:0.72,p=0.002),飲酒(1単位/週ごとのHR:0.99,p=0.017),年齢(>55歳の場合,5歳上昇によるHR:0.94,p=0.006)は有意なNOD非発症因子であった。
●結論 高血圧患者において,ベースラインのFPG値,BMI,atenolol治療はNODの予測因子であった。