編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年3月現在,1155報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Feit F, Manoukian SV, Ebrahimi R, Pollack CV, Ohman EM, Attubato MJ, Mehran R, Stone GW: Safety and efficacy of bivalirudin monotherapy in patients with diabetes mellitus and acute coronary syndromes: a report from the ACUITY (Acute Catheterization and Urgent Intervention Triage Strategy) trial. J Am Coll Cardiol. 2008; 51: 1645-52. [PubMed]

-

●目的 糖尿病を有する急性冠症候群(ACS)患者において,30日後のアウトカムを非糖尿病患者と比較し,また抗トロンビン薬bivalirudin治療とheparin治療のアウトカムを比較検討した。ACUITYのサブ解析。
一次エンドポイントは30日後の虚血性イベント(全死亡+非致死性心筋梗塞+虚血による予定外の血行再建術),重大な出血,有害臨床アウトカム(虚血性イベント+重大な出血)。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間
●対象患者 13819例:ACUITY参加者(侵襲的治療が行われたACS患者)。糖尿病患者3852例,非糖尿病患者9857例。
●方法 ACUITY試験ではheparin(非分画heparin[UFH]またはenoxaparin)+GP IIb/IIIa受容体拮抗薬(GPI)群,bivalirudin+GPI群,bivalirudin単独治療群にランダム割付け。
・UFHは60IU/kgをボーラス静注後,血管造影前の活性化部分トロンボプラスチン時間50~75秒,周術期の活性化凝固時間200~250秒を達成するよう12IU/kg/時を注入し,enoxaparinは血管造影前に1mg/kgを1日2回皮下注後,最新の皮下注が8時間以上前の場合は0.3mg/kgを,16時間以上前の場合は0.75mg/kgをPCI前にボーラス静注。
・bivalirudinは血管造影前に0.1mg/kgをボーラス静注後,0.25mg/kg/時を注入。PCI前に0.5mg/kgを追加ボーラス静注し,注入を1.75mg/kg/時に増量。
本解析では,糖尿病の有無によりアウトカムを比較し,さらに糖尿病患者において治療群間のアウトカムを比較(解析対象例はheparin+GPI群1298例,bivalirudin+GPI群1267例,bivalirudin単独治療群1287例)。
●結果 糖尿病患者では非糖尿病患者に比し,虚血性イベント(8.7% vs 7.2%,p=0.003),重大な出血(5.7% vs 4.2%,p<0.001)が有意に多く,有害臨床アウトカムも有意に多かった(12.9% vs 10.6%,p<0.001)。
糖尿病患者において,heparin+GPI群の有害臨床アウトカムはbivalirudin+GPI群とは同等で(13.8% vs 14.0%,p=0.89),bivalirudin単独治療群に比べると有意に高かった(13.8% vs 10.9%,p=0.02)。これは,両群の虚血性イベントは同等であったが(8.9% vs 7.9%,p=0.39),bivalirudin単独治療群で重大な出血が有意に低下したことによる(7.1% vs 3.7%,p<0.001)。
●結論 ACS患者において,糖尿病患者では非糖尿病患者に比し,虚血性イベントおよび重大な出血が多かった。また糖尿病患者においては,heparin+GPI治療よりもbivalirudin単独治療のほうが,重大な出血が少なく,有害臨床アウトカムは有意に低下した。