編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yong M, Kaste M: Dynamic of hyperglycemia as a predictor of stroke outcome in the ECASS-II trial. Stroke. 2008; 39: 2749-55. [PubMed]

糖尿病の既往のない急性虚血性脳卒中患者でさえ,その20~50%に高血糖が認められるといわれている。脳卒中患者のメタアナリシスでは,脳卒中後に高血糖があるとその後の死亡率が3倍になることや,機能の回復が悪いことも示されている。今回は,血糖値が入院時と24時間後に2回測定された748例でサブ解析が行われた。このような血糖の変動パターンの解析は,初めてといえる。非糖尿病例587例で,2回とも高値の持続性高血糖や24時間後に高血糖を示した症例で予後が悪いことが示された。したがって,今後はこのような症例に対する治療的介入が考慮されるべきであろう。【片山茂裕

●目的 急性虚血性半球脳卒中患者において,脳卒中発症後24時間以内の血糖変動を解析し,アウトカムとの関連を検討した。ECASS-II試験のサブ解析。
エンドポイントは7日後の神経障害改善(National Institutes of Health Stroke Scale[NIHSS]における4ポイントの低下),30日後の機能アウトカム良好(Barthel指数95または100),90日後の依存状態良好(修正Rankinスケール0~2),90日以内の全死亡,7日以内のCT上の出血性変化(実質性出血,出血性梗塞)。
●デザイン
●試験期間
●対象患者 748例:ECASS-IIの参加者(急性半球脳卒中患者800例)のうち,ベースラインおよび24時間後の血糖測定が行われた例。
●方法 ベースラインおよび24時間後に血糖値を測定し,4つのパターン(ベースラインのみ高血糖,24時間後のみ高血糖,ベースラインおよび24時間後ともに高血糖[持続性高血糖],ベースラインおよび24時間後ともに正常血糖[持続性正常血糖])に分類。持続性正常血糖パターンに対する他のパターンのアウトカムリスクを糖尿病の有無別に検討。糖尿病例161例,非糖尿病例587例。
●結果 非糖尿病例においては,持続性高血糖は神経障害改善(オッズ比[OR]0.31,95%CI 0.16-0.60),機能アウトカム良好(OR 0.27,95%CI 0.12-0.62),依存状態良好(OR 0.36,95%CI 0.17-0.73)とは逆相関を示し,全死亡(OR 7.61,95%CI 3.23-17.90)および実質性出血(OR 6.64,95%CI 2.63-16.78)と正相関を認めたが,出血性梗塞とは逆相関を示した(OR 0.30,95%CI 0.13-0.71)。24時間後のみ高血糖は全死亡(OR 5.99,95%CI 2.51-14.2)および実質性出血(OR 5.69,95%CI 2.05-15.8)と正相関を認め,依存状態良好(OR 0.40,95%CI 0.20-0.78)とは逆相関を認めた。ベースラインのみ高血糖はアウトカムとの相関を認めなかった。
糖尿病例においては,血糖変動のパターンとアウトカムとの相関を認めなかった。
●結論 脳卒中後に高血糖が持続することにより,アウトカムはすべて悪化した。一度の血糖測定に加え,血糖変動パターンを検討することにより,脳卒中アウトカムが予測できる。