編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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de Boer IH, Kestenbaum B, Rue TC, Steffes MW, Cleary PA, Molitch ME, Lachin JM, Weiss NS, Brunzell JD; Diabetes Control and Complications Trial (DCCT)/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (EDIC) Study Research Group: Insulin therapy, hyperglycemia, and hypertension in type 1 diabetes mellitus. Arch Intern Med. 2008; 168: 1867-73. [PubMed]

なぜ,1型糖尿病において高血糖の持続が高血圧を惹起したのであろうか。おそらく,高血糖により糖化蛋白が増大し,活性酸素やソルビトールが過剰となり,血管収縮を引き起こすためではないだろうか。
血管のリモデリングの時間遅れが,DCCTではなく,その後のEDICの時期に高血圧の発症をもたらしたのであろう。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,強化インスリン療法および高血糖が,高血圧の発症に影響するかを検討した。
●デザイン intent-to-treat解析。DCCTは多施設。
●試験期間 登録期間は1983年8月23日~1989年6月30日。追跡期間は15.8年(中央値)。
●対象患者 1441例:DCCT/EDICの参加者(高血圧を有さない1型糖尿病患者,13~39歳)。
●方法 DCCT/EDICでは,強化インスリン療法群711例,従来治療群730例にランダム化。
本解析では,DCCT/EDICのデータを用いて,強化インスリン療法および高血糖が,高血圧の発症(SBP≧140mmHg,DBP≧90mmHgまたは降圧薬の使用)に影響するかを検討。
●結果 追跡期間中に630例が高血圧を発症した。高血圧の発症率は,DCCT期間では両群で同等であったが(ハザード比[HR]0.94,95%CI 0.69-1.28),EDIC期間では,DCCTで強化インスリン療法群であった患者において24%低下した(HR 0.76,95%CI 0.64-0.92)。
ベースラインおよび追跡期間のHbA1c値が高いと,高血圧発症リスクは上昇した(1%上昇による調整HR:ベースライン1.11,95%CI 1.06-1.17,追跡期間1.25,95%CI 1.14-1.37)。血糖コントロールは,強化インスリン療法の高血圧予防効果に関与していることが考えられた。
高血圧の独立したリスク因子は,年齢,男性,高血圧の家族歴,ベースラインのBMI,体重増加,アルブミン排泄率であった。
●結論 1型糖尿病患者において,高血糖は高血圧発症のリスク因子であった。強化インスリン療法は,長期的な高血圧進展リスクを低減した。