編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Reaven PD, Emanuele N, Moritz T, Klein R, Davis M, Glander K, Duckworth W, Abraira C; Veterans Affairs Diabetes Trial: Proliferative diabetic retinopathy in type 2 diabetes is related to coronary artery calcium in the Veterans Affairs Diabetes Trial (VADT). Diabetes Care. 2008; 31: 952-7. [PubMed]

先に報告された退役軍人を対象としたVADT試験では,ACCORDやADVANCEと同様に,2型糖尿病患者においてHbA1c値を8.4%から6.9%へと低下させた厳格な血糖コントロールが必ずしも心血管イベントを減少させなかった。
これまでに,細小血管障害と大血管障害とは密接な関連があり,網膜症,とりわけ増殖性網膜症(PDR)と心血管イベントとの関連が明らかにされている。本サブ解析では,網膜症と冠動脈硬化(CAC)との関連が明らかにされ,なかでもPDRの患者ではCAC>400となる確率が6倍も高くなった。網膜症とCACとの関連は,これまで知られている標準的なリスクで調整しても有意であった。これらの結果は,網膜症とCACとの間に共通の発症機序が存在しており,年齢,民族差,HDL-C,インスリンの使用,CVD の既往などの標準的なリスク以外の何らかの機序も介在していることを示唆しているといえるだろう。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,網膜症と冠動脈アテローム性動脈硬化(冠動脈カルシウム[CAC])の関係を検討した。VADTのサブ解析。
●デザイン 横断研究。
●試験期間 -
●対象患者 204例:網膜症およびCACのデータが得られた2型糖尿病患者。平均罹病期間12.3±8.3年。男95%。平均62.0±9.2歳。
●方法 VADTの参加施設のうち7施設において,CTによるCACの評価を実施。患者を網膜症の程度により分類し(網膜症なし68例,微細動脈瘤37例,軽度非増殖性糖尿病網膜症[NPDR]49例,中等度~重度NPDR 35例,増殖性糖尿病網膜症[PDR]15例),CACとの相関を検討。
●結果 網膜症とCACは相関を認めた(r=0.19,p=0.006)。網膜症の程度が進展するにつれてCACスコア(中央値)は上昇し,網膜症なしは197,微細動脈瘤は229,軽度NPDRは364,中等度~重度NPDRは300,PDRは981であった(p<0.01)。
標準的な因子および強力なリスク因子を調整後,PDRはCACと有意に相関していた(p=0.047,p=0.035)。心血管疾患リスク因子調整後も,PDR症例ではそれ以外の症例に比し,CAC>400となるリスクが6倍高かった(p=0.022)。
●結論 2型糖尿病患者において,網膜症とCACには有意な相関が認められた。細小血管障害と大血管障害には共通のリスク因子があることが示された。