編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Miller ME, Bonds DE, Gerstein HC, Seaquist ER, Bergenstal RM, Calles-Escandon J, Childress RD, Craven TE, Cuddihy RM, Dailey G, et al.; ACCORD Investigators: The effects of baseline characteristics, glycaemia treatment approach, and glycated haemoglobin concentration on the risk of severe hypoglycaemia: post hoc epidemiological analysis of the ACCORD study. BMJ. 2010; 340: b5444. [PubMed]

血糖コントロール状況が長期にわたり不良であり,かつCVDのリスクが高い例では,とくに低血糖を惹起させない緻密な治療が重要であることを再認識させる結果であるといえる。【河盛隆造

●目的 ACCORD試験のデータを用いて重度の低血糖の決定因子を調査し,重度低血糖と試験期間のHbA1c変化との関連を検討した。ACCORDの疫学的事後解析。
●デザイン 無作為化比較試験の疫学的事後解析。
●試験期間 登録期間は2001年1月~6月,2003年2月~2005年10月。
●対象患者 10209例:ACCORDの参加者(高リスクの2型糖尿病患者10251例)のうち,2007年12月10日までにデータが得られた例。
採用基準:HbA1c値7.5~11%,40~79歳(心血管疾患[CVD]を有する例)または55~79歳(動脈硬化,アルブミン尿,左室肥大を有する,またはCVDリスク因子[脂質異常症,高血圧,喫煙,肥満]を2つ以上有する例)。
除外基準:頻回または最近の重症低血糖イベント(12ヵ月以内の低血糖性昏睡または発作,3ヵ月以内の第三者の介助を要する低血糖[<60mg/dL]),家庭血糖測定を拒否,BMI>45,血清クレアチニン値>1.5mg/dL,他の重篤な疾患。
●方法 ACCORD試験では,強化療法群(目標HbA1c値<6.0%)または標準療法群(目標HbA1c値7.0~7.9%)にランダム化。
本解析では,重度低血糖の決定因子となるベースライン特性を調査し,重度低血糖と試験期間のHbA1cの変化との関連を検討。
重度低血糖の定義:他者の介助を要する低血糖,および血漿ブドウ糖値<50mg/dL,または経口糖質・静注グルコース・皮下または筋肉内グルカゴン投与により速やかに改善する症状。
●結果 低血糖の年間発生率は,強化療法群3.14件/100人・年,標準療法群1.03件/100人・年であった(p<0.0001)。
低血糖リスクの上昇は,女性(p=0.03),アフリカ系米国人(vs 非ヒスパニック系白人,p<0.0001),最終学歴が高卒未満(vs 大卒,p<0.05),加齢(p<0.0001/年),登録時のインスリン使用(p<0.0001)で有意であった。
ベースラインから4ヵ月後までにHbA1c値が1%低下するごとに,低血糖リスクは強化療法群で14%(95%CI 4-23%),標準療法群で28%(95%CI 19-37%)低下した。
また,平均HbA1c値が1%上昇するごとに,低血糖リスクはそれぞれ15%(ハザード比[HR]:1.15,95%CI 1.02-1.29),76%(HR:1.76,95%CI 1.50-2.06)増大した。
●結論 試験開始後4ヵ月間のHbA1c値の低下により,低血糖リスクが上昇することはなかった。血糖コントロール不良例では,割り付けられた治療群にかかわらず低血糖リスクが大きかった。