編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Le Floch JP, Lévy M, Mosnier-Pudar H, Nobels F, Laroche S, Gonbert S, Eschwege E, Fontaine P; Assessment of Detemir Administration in Progressive Treat-to-Target Trial (ADAPT) Study Group: Comparison of once- versus twice-daily administration of insulin detemir, used with mealtime insulin aspart, in basal-bolus therapy for type 1 diabetes: assessment of detemir administration in a progressive treat-to-target trial (ADAPT). Diabetes Care. 2009; 32: 32-7. [PubMed]

本研究から「結論」が導かれているとは考えにくい。
1型糖尿病では,十分量のインスリンを24時間にわたり補充すること,毎食事からの栄養素の処理に十分な量のインスリンを皮下からタイミングよく補充することが必要となる。
HbA1cが不良な状況でのインスリン投与方式,投与量の比較では,正確な結論を導くことは難しく,誤った情報につながる可能性がある。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,基礎-ボーラスインスリン療法におけるインスリンdetemirの1日1回投与と1日2回投与を比較した。
主要エンドポイントは4ヵ月後のHbA1c値。
●デザイン 無作為,オープン,多施設(ベルギー,フランス)。
●試験期間 試験期間は7ヵ月(ランダム化期間4ヵ月+非ランダム化延長期間3ヵ月)。
●対象患者 520例:罹病期間>1年の1型糖尿病患者。HbA1c値7.5~10%。
除外基準:妊娠の可能性,経口血糖降下薬の使用,無自覚性低血糖,重度の退行性合併症または関連疾患,血糖コントロールに影響を及ぼす可能性のある薬剤または疾患。
●方法 インスリンdetemir 1日1回(就寝時)群,1日2回(朝食前,就寝時)群にランダム化。
・全例に,食事時にインスリンaspartを投与。
・インスリン用量は最初の1ヵ月で滴定し,その後3ヵ月追跡(ランダム化期間)。さらに,その後3ヵ月間は治療群の変更可(延長期間)。
・両治療の非劣性を検討(基準:HbA1c値の群間差<0.4%)。
●結果 4ヵ月後のHbA1c値は,1日1回群8.1±0.9%,1日2回群8.0±1.0%で,調整群間差が0.12%(95%CI -0..01~0.25%)であったことから,1日1回群の非劣性が示された。
HbA1c値の改善は両群で同等であった(-0.4±0.8 vs -0.5±0.8%,p=0.09)。
1日1回群では,detemir用量が有意に少なかったが(29±18 vs 39±20 U/日,p<0.001),aspart用量は有意に多かった(34±17 vs 26±14 IU/日,p<0.001)。
7ヵ月後のHbA1c値は,1日1回から1日2回に変更した患者ではわずかに低下したが(8.2±0.8→8.0±0.8%,p=0.34),1日2回から1日1回に変更した患者では有意に上昇した(7.2±0.9→7.6±0.8%,p<0.05)。総インスリン用量は,前者では増加し(p<0.05),後者では低下した(p<0.05)
●結論 1型糖尿病患者において,基礎-ボーラスインスリン療法におけるインスリンdetemirは,1日1回投与から開始することが望ましい。