編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Du X, Ninomiya T, de Galan B, Abadir E, Chalmers J, Pillai A, Woodward M, Cooper M, Harrap S, Hamet P, et al.; ADVANCE Collaborative Group: Risks of cardiovascular events and effects of routine blood pressure lowering among patients with type 2 diabetes and atrial fibrillation: results of the ADVANCE study. Eur Heart J. 2009; 30: 1128-35. [PubMed]

ADVANCEは,主要な大血管障害または細小血管障害の既往を有するか,あるいは血管疾患のリスク因子を1つ以上有する55歳以上の,平均罹病期間8年の2型糖尿病患者11140例を対象に行われ,血糖コントロールと血圧コントロールの2x2 factrial designの試験である。
血圧コントロール試験では,perindopril+indapamide合剤群で主要大血管および細小血管イベントが有意に減少した。一方,血糖コントロール試験では,HbA1c値6.5%以下を目標にした強化療法群で細小血管イベントが減少したが,大血管障害には群間差を認めなかった。
本報告はAFの有無によるサブグループ解析であり,AFは2型糖尿病患者における全死亡および心血管死の独立した危険因子であることが示された。また,perindopril+indapamide合剤の心血管死予防のための治療必要症例数(NNT)は,AF群では非AF群の約1/3であり,治療効果が大きいことが示された。
ADVANCEのほか,ACCORD,VADTにおいても厳格な血糖コントロールは大血管障害の予防に寄与していないことが指摘されている。また,ACCORDでの強化療法群における死亡の増加と低血糖の関係が議論されている。本報告では言及されていないが,血圧コントロールアームと血糖コントロールアームの交互作用,とくに低血糖の有無とAFとの関係を知りたいところである。【景山茂】

●目的 2型糖尿病患者において,心房細動(AF)の全死亡および心血管(CV)リスクに対する影響を検討し,降圧療法の心血管イベント抑制効果に対するAFの影響を検討した。
アウトカムは全死亡,CV死,主要冠動脈イベント(致死性または非致死性心筋梗塞),主要脳血管イベント(致死性または非致死性脳卒中),心不全。
●デザイン 無作為,2×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均4.3年。
●対象患者 11140例:CVリスク因子を1つ以上有する≧55歳の2型糖尿病患者。
●方法 対象をperindopril 2mg+indapamide 0.625mg合剤群(5569例),プラセボ群(5571例)にランダムに割付け。
本解析では,ベースラインのAFの有無により,全死亡,CVアウトカム,割付け治療の効果を比較。AF例847例(7.6%),非AF例10293例。
●結果 治療期間中の血圧は,perindopril+indapamide合剤群ではプラセボ群より5.3/2.3 mmHg(AF例),5.9/23 mmHg(非AF例)低かった。AF例では非AF例に比し,全死亡リスク(ハザード比[HR]1.61,95%CI 1.31-1.96,P<0.0001),CV死リスク(HR 1.77,95%CI 1.36-2.30,P<0.0001),脳血管イベントリスク(HR 1.68,95%CI 1.24-2.26,P=0.0008),心不全リスク(HR 1.68,95%CI 1.27-2.21,P=0.0002)が有意に増大した。
perindopril+indapamide合剤群において,AF例と非AF例で,全死亡およびCV死の相対リスク低下度は同等であったが,絶対リスク低下はAF例で有意に大きかった。
perindopril+indapamide合剤群における5年間でCV死1件を予防するための治療必要症例数は,AF例は42,非AF例は120であった。
●結論 2型糖尿病患者において,AFにより全死亡およびCVイベントリスクが増大した。AF例では,降圧療法のベネフィットがより大きかった。