編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Stettler C, Witt N, Tapp RJ, Thom S, Allemann S, Tillin T, Stanton A, O'Brien E, Poulter N, Gallimore JR, et al.: Serum amyloid A, C-reactive protein, and retinal microvascular changes in hypertensive diabetic and nondiabetic individuals: an Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial (ASCOT) substudy. Diabetes Care. 2009; 32: 1098-100. [PubMed]

心疾患のリスク因子を3つ以上有する高血圧患者を対象として行われたASCOT(Anglo-Scandinavian Cardiac Outcome Trial)のサブ解析である。網膜の細動脈の構造変化と炎症性蛋白であるSAAとCRPとの関連を,糖尿病の有無で比べている。
非糖尿病患者では,SAAと細動脈長/直径比が相関したが,糖尿病患者では逆の関係であった。非糖尿病患者での所見は,以前に行われたBeaver Dam Eye Studyなどの結果と一致するが,ほとんどが非糖尿病患者であったことと符合するのかもしれない。そして,糖尿病という病態は,SAAと細動脈との関連における大きな修飾因子になることが,今回の結果から示されたといえる。
SAAやCRPは急性の炎症蛋白であり,多くの場合はお互いに相関する。しかしながら,異なる調節機序を受けている可能性もあり,乖離する場合も想定される。SAAはCRPよりも,心血管疾患や非心血管疾患のより鋭敏な炎症マーカーになる可能性が示唆された。【片山茂裕

●目的 高血圧患者において,炎症性マーカー(血清アミロイドA[SAA]およびC反応性蛋白[CRP])と網膜微小血管変成との関連を糖尿病の有無により検討した。ASCOT試験のサブ解析。
●デザイン 横断解析。
●試験期間 -
●対象患者 711例:ASCOT参加者(高血圧患者)のうち,2施設で登録された例。
ASCOT試験の採用基準:心血管リスク因子(男性,>55歳,微量アルブミン尿または蛋白尿,喫煙歴,脂質異常症,冠動脈心疾患の家族歴,心電図上の異常,左室肥大,2型糖尿病,末梢血管疾患,脳卒中または一過性虚血発作の既往)のうち3つ以上を有する。
●方法 画角30度の上方および下方耳側部の眼底写真を撮影。糖尿病患者(159例)と非糖尿病患者(552例)で網膜パラメータを比較し,SAAおよびCRPとの相関を検討した。
●結果 SAAと細動脈長/直径比は,非糖尿病患者では正相関し(P for trend=0.028),糖尿病患者では逆相関した(P for trend=0.005)。これは偶然に得られた所見(chance finding)ではないようであった(P for interaction=0.007)。
SAAと細動脈蛇行についても同様であった(P for interaction=0.05)。
CRPと網膜パラメータとの相関は小さかった。
●結論 高血圧患者において,炎症プロセスと網膜微小血管障害の相関は,糖尿病患者と非糖尿病患者で異なっていた。