編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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de Jager J, Kooy A, Lehert P, Wulffelé MG, van der Kolk J, Bets D, Verburg J, Donker AJ, Stehouwer CD: Long term treatment with metformin in patients with type 2 diabetes and risk of vitamin B-12 deficiency: randomised placebo controlled trial. BMJ. 2010; 340: c2181. [PubMed]

ホモシステイン濃度の上昇が,たとえば頸動脈内膜中膜肥厚(CIMT)などの動脈硬化の代用評価項目に影響を及ぼすのかなど,今後の解析が待たれる。【河盛隆造

●目的 インスリン治療を受けている2型糖尿病患者において,metformin(ビグアナイド)のビタミンB12,葉酸,ホモシステインの血清濃度に対する効果を検討した。
主要アウトカムは,ベースラインから4,17,30,43,52ヵ月後のビタミンB12,葉酸,ホモシステイン濃度の変化。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,多施設(3施設,オランダ),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は4.3年。
●対象患者 390例:インスリン治療を受けている2型糖尿病患者。30~80歳。
●方法 metformin(850mg×3回/日)群(196例),プラセボ群(194例)に無作為に割付け。
●結果 metformin群ではプラセボ群に比し,ビタミンB12濃度が19%低下(95%CI -24~-14,p<0.001),葉酸濃度が5%低下(95%CI -10~-0.4,p=0.033),ホモシステイン濃度が5%上昇した(95%CI -1~11,p=0.091)。BMIおよび喫煙を調整後,葉酸濃度における有意な群間差は消失した。
metformin群では,試験終了時のビタミンB12欠乏(<150pmol/L)の絶対リスクが7.2%(95%CI 2.3~12.1,p=0.004),ビタミンB12低値(150~220pmol/L)の絶対リスクが11.2%(95%CI 4.6~17.9,p=0.001)高く,4.3年間のNNHはそれぞれ13.8(95%CI 43.5~8.3),8.9(95%CI 21.7~5.6)であった。
平均ホモシステイン濃度は,試験終了時にビタミンB12欠乏であった患者は23.7μmol/L(95%CI 18.8~30.0),ビタミンB12低値患者は18.1μmol/L(95%CI 16.7~19.6,p=0.003[vs 欠乏]),ビタミンB12正常(>200pmol/L)患者は14.9μmol/L(95%CI 14.3~15.5,p<0.001[vs 欠乏],p=0.005[vs 低値])であった。
●結論 インスリン治療を受けている2型糖尿病患者において,長期metformin治療によりビタミンB12欠乏リスクが増大し,それによりホモシステイン濃度が上昇した。長期のmetformin治療においては,定期的なビタミンB12濃度の測定を考慮すべきである。