編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The ACCORD Study Group and ACCORD Eye Study Group: Effects of Medical Therapies on Retinopathy Progression in Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2010; 363: 233-44. [PubMed]

ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)では,標準療法群に比べて,HbA1c<6.0%を目指した強化療法群で平均3.5年後の全死亡や心血管死が有意に高く,早期に試験が中止されたことは記憶に新しい。
本報告は,網膜症に関する2856例でのサブ解析である。強化療法群では標準療法群に比べて,網膜症の進展率が33%低下した。また,statinへのfenofibrateを追加した脂質低下療法群でも,オッズ比が40%低下した。fibrateの効果は,FIELDでもレーザー治療の必要性がプラセボ群の4.9%に比べて3.4%に低下することがすでに示されている。今回の結果はFIELDの結果を支持するものといえる。
しかしながら,強化降圧療法の効果は明らかでなかった。この理由は明らかではないが,UKPDSではSBPの目標が180mmHg以下と150mmHg以下の両群を比較しているが,今回の降圧レベルは,強化降圧療法群で119.3/64.4mmHg,標準療法群でも133.5/70.5mmHgに達しているためかもしれない。【片山茂裕

●目的 心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者において,強化血糖コントロール,脂質低下療法,強化降圧療法が糖尿病網膜症の進展を予防するかを検討した。ACCORDのサブ解析。
一次アウトカムは,糖尿病網膜症の進展(ETDRSスケールの3段階以上の進展)+光凝固療法または硝子体切除術を要する増殖性糖尿病網膜症の発症。
●デザイン 無作為,多施設(北米77施設),2×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2003年10月~2006年2月。追跡期間は4年。
●対象患者 2856例:ACCORDの参加者(心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者10251例)のうち,増殖性糖尿病網膜症の既往のない例。
●方法 ACCORDでは,対象患者を強化血糖コントロール群または標準血糖コントロール群(目標HbA1c値:強化群<6.0%,標準群7.0~7.9%)に無作為割り付け。さらに脂質異常症の5518例をfenofibrate+simvastatin群またはsimvastatin群に割付け,その他の4733例を強化降圧療法群または標準降圧療法群(目標SBP値:強化群<120mmHg,非強化群<140mmHg)に割付け。
本解析では,上記介入による糖尿病網膜症の進展,光凝固療法または硝子体切除術を要する糖尿病網膜症の発症に対する効果を検討。
●結果 4年後の糖尿病網膜症の進展率は,強化血糖コントロール群7.3%,標準血糖コントロール群10.4%(調整オッズ比[OR]0.67,95%CI 0.51-0.87,p=0.003),fenofibrate+simvastatin群6.5%,simvastatin群10.2%(調整OR 0.60,95%CI 0.42-0.87,p=0.006),強化降圧療法群10.4%,標準降圧療法群8.8%(調整OR 1.23,95%CI 0.84-1.79,p=0.29)。
●結論 心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者において,強化血糖コントロールおよび脂質低下療法により糖尿病網膜症の進展率は低下したが,強化降圧療法による進展率低下は認めなかった。