編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ismail-Beigi F, Craven T, Banerji MA, Basile J, Calles J, Cohen RM, Cuddihy R, Cushman WC, Genuth S, Grimm RH Jr, et al.; for the ACCORD trial group: Effect of intensive treatment of hyperglycaemia on microvascular outcomes in type 2 diabetes: an analysis of the ACCORD randomised trial. Lancet. 2010; 376: 419-30. [PubMed]

ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)では,標準療法群に比べて,HbA1c<6.0%を目指した強化療法群で,平均3.5年後の全死亡や心血管死が有意に高く,早期に試験が中止されたことは記憶に新しい。
本報告は,細小血管障害に関するサブ解析である。腎不全の進展や網膜症を合わせた一次複合アウトカムや,末梢神経障害を加えた二次複合アウトカムは,強化療法群での有意な減少は認められなかった。ただ,個々の指標をみると,強化療法群で,蛋白尿の発症は29%,白内障の手術や視力の悪化などは約10%,アキレス腱反射の消失や触覚の低下などは有意に10%あるいは15%減少した。
今回の治療戦略では,強化血糖コントロールによる細小血管障害へのベネフィットは,全死亡や心血管疾患による死亡の増加,体重増加,低血糖の増加を上回るとは考えられない。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,強化血糖コントロールにより細小血管障害が低下するかを検討した。
一次複合アウトカムは,腎不全の進展(透析または腎移植,血清クレアチニン高値[>3.3mg/dL])+網膜光凝固術または硝子体切除術を要する網膜症。二次複合アウトカムは,末梢神経障害(MNSIスコア>2.0)+一次複合アウトカム。
●デザイン 無作為,多施設(北米77施設),2×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 2009年6月追跡終了。追跡期間は平均3.5年。
●対象患者 10251例:高リスクの2型糖尿病患者。
採用基準:HbA1c値≧7.5%。心血管疾患(CVD)の既往を有する40~79歳,または動脈硬化,アルブミン尿,左室肥大の解剖学的特徴を有する,またはCVDリスク因子(脂質異常症,高血圧,喫煙,肥満)を2つ以上有する55~79歳。
除外基準:頻回または最近の重症低血糖イベント,家庭血糖測定またはインスリン注射を拒否,BMI>45kg/m²,血清クレアチニン値>1.5mg/dL,他の重篤な疾患。
●方法 強化療法群(5128例)または標準療法群(5123例)に無作為割り付け。
目標HbA1c値:強化療法群は<6.0%,標準療法群は7.0~7.9%。
●結果 強化療法群の死亡率が高かったため,試験は早期に中止され,強化療法群は標準療法群に移行した。
移行時の一次複合アウトカム(ハザード比[HR]1.00,95%CI 0.88-1.14,p=0.9969)および二次複合アウトカム(HR 0.96,95%CI 0.89-1.02,p=0.1948)は両群で同等で,試験終了時にも同等であった(一次複合アウトカム:HR 0.95,95%CI 0.85-1.07,p=0.4226,二次複合アウトカム:HR 0.95,95%CI 0.89-1.01,p=0.1172)。
しかしながら,強化療法はアルブミン尿の発症や網膜症や神経障害のいくつかの指標を改善した。
●結論 2型糖尿病患者において,強化血糖コントロールによる細小血管障害へのベネフィットは,全死亡や心血管疾患関連死,体重増加,低血糖との関連で考慮すべきである。