編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Diamant M, Van Gaal L, Stranks S, Northrup J, Cao D, Taylor K, Trautmann M: Once weekly exenatide compared with insulin glargine titrated to target in patients with type 2 diabetes (DURATION-3): an open-label randomised trial. Lancet. 2010; 375: 2234-43. [PubMed]

DURATION-3では,GLP-1受容体作動薬exenatide(2mg/週)の週1回皮下注射と持効型インスリンglargineの毎日皮下注射(最終投与量は31単位)の血糖コントロールに及ぼす影響を検討している。
HbA1c値の低下度,HbA1c値の7.0%以下達成率,HbA1c値の6.5%以下達成率などはexenatide群でglargine群に比べて大であった。一方,血糖の日内変動ではglargine群で空腹時血糖値の低下が大きく,exenatide群では比較的食後血糖値の低下度が大きかった。その結果,1,5-アンヒドログルシトールがexenatide群でglargine群に比べより増加した。
また,体重減少はexenatide群でglargine群に比べて大であった。興味深いのは,exenatide群の患者の79%はHbA1c値の低下と体重減少を同時に示したが,glargine群では63%がHbA1c値の低下と体重増加を示したことである。低血糖の発生は,exenatide群で19人(8%)であり,glargine群の58人(26%)に比べて少なかった。
GLP-1受容体作動薬の使用は英国では肥満が問題となる症例でインスリンの代わりにと位置づけられているが,米国のAmerican Association of Clinical Endocrinologistではインスリンの前に奨めるとされている。ただ,本試験で認められたように,GLP-1受容体作動薬の使用は,体重減少,低血糖リスクの減少,exenatide週1回注射の利便性などにより,今後その有用性が増すものと期待される。【片山茂裕

●目的 最大耐用量の血糖降下薬治療で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬exenatide週1回とインスリンglargineを比較した。
一次エンドポイントはベースラインから26週後のHbA1c値の変化。二次エンドポイントは目標HbA1c値(<7.0%,<6.5%)達成率,空腹時血清ブドウ糖値,自己測定血糖値,体重,空腹時血清脂質値,尿中アルブミン-クレアチニン比,高感度C反応性蛋白値,HOMA-β,インスリン感受性,ALT値,1,5-アンヒドログルシトール値。
●デザイン 無作為,オープンラベル,第III相,多施設(米国,プエルトリコ,EU諸国,ロシア,オーストラリア,韓国,台湾,メキシコの72施設)。intention-to-treat解析。
●試験期間 試験期間は26週(2008年5月13日~2009年5月19日)。
●対象患者 456例:最大耐用量のmetformin単独治療またはSU類との併用治療を3ヵ月以上実施しても血糖コントロール不良の2型糖尿病患者。
採用基準:≧18歳,HbA1c値7.1~11.0%,BMI 25~45kg/m²,体重が3ヵ月以上安定。
除外基準:6ヵ月以内に>3回の重度低血糖エピソード,4週以内の全身糖質コルチコイド治療,3ヵ月以内に2週以上のインスリン・チアゾリジンジオン系薬剤・α-グルコシダーゼ阻害薬・meglitinide・1日2回のexenatide(製剤)・DPP-4阻害薬・pramlintide acetate治療,3ヵ月以内の抗肥満薬の使用。
●方法 居住国および血糖降下薬を層別化して,exenatide群(233例),glargine群(223例)に無作為割付けし,既存の血糖降下薬に追加投与。
exenatide群:2mgを週1回注射。
glargine群:1日1回注射。10IU/日から開始し,空腹時血糖値72~99mg/dLとなるよう用量を調整。
●結果 HbA1c値の変化は,exenatide群でglargine群より有意に大きかった(-1.5% vs -1.3%:群間差-0.16%,95%CI -0.29~-0.03,p=0.017)。
HbA1c値<7.0%達成率(60% vs 48%,p=0.010),<6.5%達成率(35% vs 23%,p=0.004)は,exenatide群で高かった。体重は,exenatide群では減少,glargine群では増加した(-2.6kg vs 1.4kg,p<0.0001)。空腹時血清ブドウ糖値の低下は,glargine群で大きかった(-37.8mg/dL vs -50.4mg/dL,p=0.001)。1,5-アンヒドログルシトールの増加は,exenatide群で多かった(6.0μg/mL vs 4.2μg/mL,p<0.0001)。
有害事象のために投与中止した患者は,exenatide群で多かった(12例[5%] vs 2例[1%],p=0.012)。
●結論 最大耐用量の血糖降下薬治療で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,週1回のexenatideは低血糖リスク,体重減少,簡便性において優れた治療選択の一つであった。