編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1168報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Molitch ME, Steffes M, Sun W, Rutledge B, Cleary P, de Boer IH, Zinman B, Lachin J; Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Study Group: Development and progression of renal insufficiency with and without albuminuria in adults with type 1 diabetes in the diabetes control and complications trial and the epidemiology of diabetes interventions and complications study. Diabetes Care. 2010; 33: 1536-43. [PubMed]

最近,糖尿病腎症患者のうち,一定の比率で,微量アルブミン尿がみられなくてもGFRが低下している症例が存在することが知られるようになってきた。DCCT(Diabetes Control and Complications Trial),それに引き続き行われたEDIC(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications) Studyで,AERとeGFRとの関連が検討された。
蛋白尿はeGFR低下の強力な予測因子であった。しかしながら,eGFRの低下が認められた89例のうち,20例(24%)が正常アルブミン尿の症例であったことが特筆される。糖尿病患者の腎機能の評価には,尿中アルブミンの排泄率の測定と同時にeGFRを測定することが重要であるといえる。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者において,過去および現在の尿中アルブミン排泄率(AER)のレベルが推定糸球体濾過量(eGFR)の低下率とeGFR低値(<60mL/min/1.73m²)のリスクに与える影響を検討。
●デザイン コホート,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均19年。
●対象患者 1439例:DCCT/EDICの参加者1441例のうち,AERおよびeGFRのデータが得られた例。
●方法 尿中アルブミンは,DCCT期間中は年に1回,EDIC期間中は2年に1回測定。血清クレアチニン値はDCCTおよびEDICともに,年に1回測定。GFRは,簡略版MDRD式を用いて算出。
●結果 eGFR異常(2回以上の連続した測定で<60mL/分/1.73m²)を発症したのは89例で(累積発生率11.4%),そのうち評価前に正常AER(<30mg/24時間)であったのは21例(24%),慢性腎臓病のステージ3に進展する前に微量アルブミン尿(30~300mg/24時間)であったのは14例(16%),蛋白尿(>300mg/24時間)であったのは54例(61%)であった。
蛋白尿例は正常例に比し,eGFR低下率が有意に大きく(5.7%/年 vs 1.2%/年,p<0.0001),eGFR異常リスクの調整ハザード比は15.3であった(95%CI 8.9-26.3,p<0.0001)。微量アルブミン尿のeGFRへの影響は少なかった。
●結論 1型糖尿病患者において,蛋白尿はeGFR低下および異常の強力な予測因子であった。しかし,AERのみによるスクリーニングではeGFR異常の24%が見逃された。