編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Carnethon MR, Sternfeld B, Schreiner PJ, Jacobs DR Jr, Lewis CE, Liu K, Sidney S: Association of 20-year changes in cardiorespiratory fitness with incident type 2 diabetes: the coronary artery risk development in young adults (CARDIA) fitness study. Diabetes Care. 2009; 32: 1284-8. [PubMed]

CARDIAにおける運動耐容能と糖尿病の新規発症に関するサブ解析である。18~30歳の青年男女を20年間にわたり経過観察した貴重な成績である。本研究の以前の解析では,BMI≦30の非肥満者のみで運動耐容能と糖尿病の新規発症に関する関連が認められていたが,より長期の観察結果を加えた今回の解析では,BMIで調整しても,7年後の運動耐容能の低下が少ない者ほど糖尿病の発症が低くなること,20年後に糖尿病を発症した者では運動耐容能が低下していることが明らかになった。
これらの機序としては,運動による体重減少・筋肉のインスリン感受性の改善・血管内皮機能の改善・交感神経系の改善・炎症や酸化ストレスの減少などが関連すると考えられる。運度量の増加や運動耐容能の増加や改善は,脂肪量の減少などと関連し,糖尿病の新規発症を減少させるものと考えられる。ただ,今回の検討では運度量を増加させることで運動耐容能を改善し,糖尿病の新規発症を予防できるかは検討されていない。Diabetes Prevention Programで,予防できるのではないかとのポジティブな短期間の検討はあるが,今後の長期的な検討が必要であろう。【片山茂裕

●目的 18~30歳の青年において,7~20年間の運動耐容能の変化と,中年期の糖尿病発症との関連を検討した。
●デザイン 縦断研究。
●試験期間 登録期間は1985~1986年。
●対象患者 3989例:CARDIAの参加者(18~30歳の黒人および白人男女5115例)のうち,糖尿病を認めず,必要なデータが得られた例。
●方法 最大負荷トレッドミル検査により運動耐容能を評価し,20年間のその変化率と糖尿病発症との関連を検討。
糖尿病発症は,空腹時血糖値≧126mg/dL,食後血糖値≧200mg/dL,糖尿病治療薬の使用と定義。
●結果 糖尿病発症率は,4件/1000人・年であった。
人種および性別に関わらず,ベースラインの運動耐容能が低いと,糖尿病発症リスクが高かった(ハザード比[HR]1.8~2.3)。
7年間の運動耐容能低下率は,女性は平均7.6%,男性は平均9.2%であった。
年齢,人種,喫煙,糖尿病の家族歴,ベースラインの運動耐容能,BMI,空腹時血糖値を調整後,7年間にfitnessが19%低下することによる糖尿病発症のHRは,女性は1.22(95%CI 1.09-1.39),男性は1.45(95%CI 1.20-1.75)であった。
20年間に糖尿病を発症した例では,非発症例に比し,運動耐容能の低下度が有意に大きかった(p<0.01)。
●結論 運動耐容能の低下は糖尿病発症と有意に相関し,これはおもに運動耐容能とBMIが関連しているためであると考えられる。