編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Perreault L, Kahn SE, Christophi CA, Knowler WC, Hamman RF; Diabetes Prevention Program Research Group: Regression from pre-diabetes to normal glucose regulation in the diabetes prevention program. Diabetes Care. 2009; 32: 1583-8. [PubMed]

本研究の対象となったオランダの平均44歳の1型糖尿病患者は,BMIは24.5 kg/m²であり,インスリン投与量は0.7U/kg,HBA1c値7.8%であった。低血糖への心配が睡眠障害の一因となることが示された。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,主観的な睡眠の特徴,長期血糖コントロールと睡眠の特徴との関連,および睡眠障害のリスク因子を検討した。
●デザイン ケースコントロール。
●試験期間 試験前12ヵ月間の医療データを収集。
●対象患者 198例:1型糖尿病患者99例(男性55例,女性44例,平均罹患期間26.9)と,年齢,性別,BMIが一致した非糖尿病患者の対照者99例。
除外基準:睡眠障害の既往,精神障害の既往または向精神薬の使用,妊娠または授乳中,過去3ヵ月以内の夜間勤務,前月にtime zoneを越える旅行,18歳未満,1型糖尿病以外の内分泌障害,1型糖尿病以外の疾患に起因する神経障害,末梢神経障害以外の疼痛に関連した慢性合併症,グルココルチコイドの慢性的な使用。
●方法 主観的な睡眠の特徴をPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI),Epworth Sleepiness Scale(ESS),Berlin Questionnaire(BQ)の妥当性が検証された質問票で評価した。血糖コントロール状況はHbA1c値で評価し,臨床的指標はカルテから取得した。抑うつ症状はHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)で評価し,末梢多発神経障害は神経学的検査と網羅的感覚機能評価を用いて調査した。

・PSQI:主観的な睡眠の質についての質問票で,19項目の質問からなり,0~21点のスコアで評価。スコアが高いほど睡眠の質が悪化していることを示す。
・ESS:日中の眠気についての質問票で,8項目の質問からなり,0~24点のスコアで評価。10点以上で「傾眠」と解釈される。
・BQ:睡眠時無呼吸のリスク因子に関する質問票で,10項目の質問からなり,いびきと無呼吸,日中の眠気または疲労,肥満または高血圧の3つの症状カテゴリーに分類される。
・HADS:不安,抑うつ症状に関する質問票で,14項目の質問からなり,0~42点のスコアで評価。スコアが高いほどより深刻な不安や抑うつ症状があることを示す。
●結果 主観的に睡眠の質が低かったのは,対照者では20%であったのに対し,1型糖尿病患者では35%であった(P=0.021)。1型糖尿病患者では閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)のリスクが上昇した割合が高かった(17.2% vs 5.1%,P=0.012)。個々の睡眠の特徴とHbA1c値の間に有意な関連性はなかった。ロジスティック回帰分析では,HADSの抑うつ症状スコア,末梢多発神経障害,習慣性いびき症,低血糖などその他の睡眠障害は独立して睡眠の質低下と関連していた。
●結論 成人の長期罹患1型糖尿病患者では主観的な睡眠の質に障害があり,対照者と比較してOSAのリスクが上昇していた。主観的な睡眠障害は,長期罹患1型糖尿病における複合性症候群の一部である。