編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1167報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Preiss D, Seshasai SR, Welsh P, Murphy SA, Ho JE, Waters DD, DeMicco DA, Barter P, Cannon CP, Sabatine MS, et al.: Risk of incident diabetes with intensive-dose compared with moderate-dose statin therapy: a meta-analysis. JAMA. 2011; 305: 2556-64. [PubMed]

スタチンが糖尿病発症リスクを増加させることはすでに明らかにされているが,スタチン投与量が多いほうがさらにリスクを高めることが示された。しかしながら,高用量スタチンは中容量スタチンに比較して,心血管イベント減少効果が大きく,糖尿病発症リスクの増加を上回る効果と考えられること,またこの研究で検討された高容量のスタチンは日本の臨床ではほとんど使われることがない点に留意することが必要である。【西尾善彦

●目的 中等量と比較して,高用量のスタチン療法が,糖尿病の新規発症リスクの増加と関連しているかを検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 32752例:過体重で糖尿病を有しない患者。高用量スタチン療法と中等量スタチン療法を比較した無作為化比較試験で,参加者が1000例以上,追跡期間が1年以上の5試験(TNT,IDEAL,A to Z,PROVE IT-TIMI 22,SEARCH)のデータを解析。
●方法 1996年1月1日~2011年3月31日に発表された文献についてMEDLINE,EMBASE,Cochrane Central Register of Controlled Trialsで検索を行い,関連する試験を選択。糖尿病新規発症と主要心血管イベントについて,試験ごとのオッズ比を算出し,メタ解析のランダム効果モデルを用いて結合。試験間の不均一性はI2統計で解析。
●結果 追跡期間4.9年に2749例(8.4%)の患者に糖尿病が発症し,6684例(20.4%)の患者に心血管イベントが発症した。
高用量スタチン療法では中等量スタチン療法と比較して糖尿病の発症数が大きく(1449例 vs 1300例),心血管イベントの発生数は少なかった(3134例 vs 3550例)。糖尿病発症のオッズ比は1.12(95%CI, 1.04-1.22,I2=0%),心血管イベント発生のオッズ比は0.84(95%CI, 0.75-0.94,
I2=74%)であった。
中等量スタチン療法と比較して,高用量のスタチン療法では,糖尿病の新規発症の有害必要数は498/年,心血管イベント発症の必要治療数は155/年であった。
●結論 5つのスタチン療法の試験でのプール解析では,中等量スタチン療法と比較して,高用量スタチン療法は糖尿病の新規発症リスクの増加と関連があると結論づけられた。