編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Monami M, Colombi C, Balzi D, Dicembrini I, Giannini S, Melani C, Vitale V, Romano D, Barchielli A, Marchionni N, et al.: Metformin and cancer occurrence in insulin-treated type 2 diabetic patients. Diabetes Care. 2011; 34: 129-31. [PubMed]

インスリン投与によりがんの発症率が上昇するとの懸念がある。最近報告されたOrigin Trialでは,インスリンglargineを用いたBOT療法によるがん発症率の上昇は認められなかったが,糖尿病患者ではがん発症率が高いことを示唆するデータは多数あり,がん予防の観点からの治療が求められている。そうした意味において,本研究はケースコントロール研究であるが,インスリン治療中の患者ではmetformin投与例でがんの発症率が低い可能性が示唆されており,インスリンとmetforminの併用が推奨される。【綿田裕孝

●目的 インスリン治療を行っている2型糖尿病患者において,癌発生率に対するmetformin(ビグアナイド)の効果を検討した。
●デザイン コホート内症例対照研究。
●試験期間 追跡期間は75.9ヵ月(中央値)。2008年12月31日追跡終了。
●対象患者 1340例:インスリン治療を受けている2型糖尿病患者。男性594例,女性746例,平均63.1±14.9歳。
除外基準:悪性腫瘍による入院歴。
●方法 コホート内の癌発症例に対し,年齢,性別,BMIを合致させた対照例を同コホートから抽出。
●結果 追跡期間中に癌を発症した112例に対し,対照例370例を抽出して比較した。
癌発症例は対照例より,metformin使用率(17.9% vs 40.5%,p<0.001)およびスルホニル尿素(SU)薬使用率が有意に低かった。併発疾患,glargine,総インスリン用量を調整後,metformin使用は癌発生率を有意に低下したが(オッズ比0.46,95%CI 0.25-0.85,p=0.014),SU薬使用では有意な低下を認めなかった(オッズ比0.75,95%CI 0.39-1.45,p=0.40)。
●結論 インスリン治療を受けている2型糖尿病患者において,追跡期間の癌発症例ではmetformin使用率が低かった。