編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Larsson SC, Wolk A: Diabetes mellitus and incidence of kidney cancer: a meta-analysis of cohort studies. Diabetologia. 2011; 54: 1013-8. [PubMed]

糖尿病においてさまざまな悪性腫瘍の発症リスクが増加することが報告されている。本研究では,これまでのコホート研究のメタアナリシスから,非糖尿病患者に比べて糖尿病患者では腎臓がんの発症リスクが有意に上昇することを明らかにしている。しかしながら,肥満や喫煙の影響を補正できる試験に限定するとリスクが低下することや,糖尿病の罹病期間と腎臓がん発症の関連性が明確でないことなどから,真に慢性の高血糖が腎臓がんの発症に関連しているかはまだ決定的とはいえず,今後の研究を待つ必要がある。【西尾善彦

●目的 糖尿病と腎臓がん発生リスクの関連を検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 5269987例:9つのコホート研究の参加者。
●方法 PubMedで1966年1月~2010年12月の文献を検索し,関連論文の参照リストをレビューして適切な試験を同定。腎臓がんまたは腎細胞がんの死亡率に関する試験は除外。糖尿病と腎臓がん発生率の関連についてリスク比の評価と95%CI(またはそれを計算できるデータ)を報告しているコホート研究の9試験を対象とした。要約リスク比はランダム効果モデルを用いて算出。試験の不均一性はQ統計およびI²統計を用いて解析した。
●結果 非糖尿病患者と比較して,糖尿病患者では腎臓がんのリスクが有意に上昇した(リスク比[RR]1.42, 95%CI 1.06-1.91)。試験間の不均一性が認められた(P<0.001 for heterogeneity,I²=95.2%)。女性(RR 1.70,95%CI 1.47-1.97,P=0.98 for heterogeneity,I²=0%)では男性(RR 1.26,95%CI 1.06-1.49,P=0.01 for heterogeneity,I²=69.9%)と比較して,より強い関連が認められた(P=0.01)。BMI(n=3)または喫煙(n=3)で補正した試験に限定した解析では,リスク比はそれぞれ1.12(95%CI 0.99-1.27,P=0.39 for heterogeneity,I²=2.4%),1.29(95%CI 1.05-1.58,P=0.66 for heterogeneity,I²=0%)だった。
●結論 糖尿病と腎臓がんのリスクに正の関連が認められた。今後,この関連の因果関係を解明されるべきである。