編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Johnson JA, Bowker SL: Intensive glycaemic control and cancer risk in type 2 diabetes: a meta-analysis of major trials. Diabetologia. 2011; 54: 25-31. [PubMed]

本研究の対象となった6試験のうち,UKPDS以外の試験の対象患者には,糖尿病罹病期間が長い症例が多い。そのため,この結果からは,短期間のHbA1cの差異ががん発生にいかなる影響を及ぼすのか,結論は導きにくい。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病患者において,血糖コントロールの改善ががん発生またはがん死亡率のリスクを低下させるかを検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 185618例:がん死亡を報告した4試験(92635例)とがん発生を報告した3試験(92983例)。
●方法 2型糖尿病における強化血糖コントロールを目的として実施された,主要な無作為化比較試験(UKPDS,ACCORD,VADT,ADVANCE,PROactive,RECORD)を選択。論文,supplemental materialからデータを取得。ランダム効果モデルを用いてデータを統合し,リスク比を算出。がん死亡率とがん発生に分けメタアナリシスを行った。二次解析では,metforminの2型糖尿病とがんの関連性における役割に関する重要なエビデンスがあり,またUKPDSと対象患者が重複したため,UKPDS metforminを除外。
●結果 がん死亡を報告したUKPDS 33,UKPDS 34,ACCORD,VADTの4試験では,がん死亡は強化コントロール群で53892例中222例/年,標準コントロール群で38743例中155例/年で,要約リスク比は1.00(95%CI 0.81-1.24,I²=0%)だった。UKPDS metforminを除外したpooled risk estimateは1.03(95%CI 0.83-1.29,I²=0%)となった。がん発症を報告したADVANCE,PROactive,RECORDの3試験では,がん発症は血糖コントロール改善群で47974例中357例/年,コントロール群で45009例中380例/年であった。がん発症のpooled risk ratioは0.91(95%CI 0.79-1.05,I²=0%)だった。
●結論 強化血糖コントロールを行った大規模無作為化比較試験の結果からは,2型糖尿病患者において血糖コントロールの改善ががんリスクを低下させないことが示唆された。したがってこの結果は,高血糖とがんリスクの上昇が関連しているという仮説も支持しない。