編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Grote VA, Rohrmann S, Nieters A, Dossus L, Tjønneland A, Halkjær J, Overvad K, Fagherazzi G, Boutron-Ruault MC, Morois S, et al.: Diabetes mellitus, glycated haemoglobin and C-peptide levels in relation to pancreatic cancer risk: a study within the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) cohort. Diabetologia. 2011; 54: 3037-46. [PubMed]

膵がんと糖尿病の因果関係には,不詳な点が多い。高齢で発症した2画糖尿病例や,安定した病状が急激に悪化した例では膵がんを疑うことが重要となってきたといえる。【河盛隆造

●目的 膵がんと診断される前の血清HbA1cおよびCペプチドのレベルと膵がんリスクの関連を検討した。
●デザイン ケースコントロール。多施設(欧州10ヵ国)。
●試験期間 登録期間1992~2000年。平均追跡期間5.3年。
●対象患者 932例:膵がん患者466人とコントロール患者466人(施設,性別,登録時の年齢,登録した日付,飲食から血液採取までの時間が一致)。
除外基準:膵がんの診断以前に非黒色腫皮膚がんを除く悪性腫瘍を発症,血液検体の入手不可。
●方法 血液検体からHbA1cとCペプチドの膵がん診断前のレベルを測定した。膵がんのオッズ比の評価には,条件付きロジスティック回帰分析モデルを使用。
●結果 HbA1cのレベルが非糖尿病の範囲内であっても,膵がん診断前のHbA1cレベルの上昇に伴って膵がんリスクは段階的に上昇し,オッズ比は最大で2.42(95%CI 1.33-4.39,最大群[≧6.5%,48mmol/moL] vs 最小群[≦5.4%,36mmol/moL])に達した。Cペプチドの膵がん診断前レベルは膵がんリスクと有意な関連が認められず,空腹値,食後値のいずれであったかとも関係はなかった。血液検体の測定時から膵がんと診断されるまでの期間(lag time)が短くなっても,高血糖(HbA1cでマーカー)の増加や膵β細胞応答性(Cペプチドでマーカー)の低下の傾向は示されなかった。
●結論 膵がん患者では,2型糖尿病の古典的かつ主要なリスク因子である肥満やインスリン抵抗性とは相対的に独立して,HbA1cが中程度に上昇する傾向にあることが示された。lag timeによる強い差異は認められず,強固な結論に達するためにはより多くのデータが必要である。