編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Derosa G, Mugellini A, Ciccarelli L, Crescenzi G, Fogari R: Comparison between repaglinide and glimepiride in patients with type 2 diabetes mellitus: a one-year, randomized, double-blind assessment of metabolic parameters and cardiovascular risk factors. Clin Ther. 2003; 25: 472-84. [PubMed]

速効性インスリン分泌促進薬であるrepaglinide(平均投与量2.5㎎/日)とSU薬であるglimepiride(平均投与量3㎎/日)の効果を比較した報告である。12ヵ月後のHbA1c値は,repaglinide群で8.0%から6.8%,glimepiride群で7.8%から6.7%に有意に低下した。FPGはrepaglinide群で38mg/dL低下し,glimepiride群で39mg/dL低下した。両薬剤の血糖低下作用はほぼ同等といる。しかしながら,PPGはrepaglinide群で46mg/dL低下し,glimepiride群で21mg/dL低下した。食後のIRI濃度には両群で差がなかったが,repaglinide群でPPGの低下度は有意に大きく,結果的に空腹時IRIはrepaglinide群でのみ低下していたことは,膵β細胞機能に及ぼす影響という面から両薬剤の長期の使用を考えた際には興味深い。
またこれらの薬剤が動脈硬化の危険因子であるLp(a)やPAI-1やHcyを低下させたことも興味深い。これまでmetforminがLp(a)を低下させ,troglitazoneやacarboseがわずかに上昇させるとの報告がある。また,metforminが線溶系を活性化させるとの報告や,Hcyを上昇させるとの報告もある。血糖降下作用に加えて,血糖降下薬の動脈硬化の危険因子への作用にも留意していく必要があるだろう。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,経口血糖降下薬repaglinideとスルホニル尿素glimepirideの血糖コントロール,リポ蛋白a(Lpa),プラスミノーゲン活性化因子-1(PAI-1),ホモシステイン(Hcy)に対する効果を比較した。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,単施設(イタリア)。
●試験期間 試験期間は1年。
●対象患者 124例:食事療法および運動療法のみで血糖コントロール不良(HbA1c値>7.0%)かつLDL-C≧100mg/dLの2型糖尿病患者。
登録基準:非喫煙,血圧正常(SBP<130mmHg,DBP<85mmHg),冠動脈疾患を有さない,脂質低下薬・利尿薬・β遮断薬・チロキシンの投与なし,腎機能正常(血清クレアチニン値<1.5mg/dL)。
●方法 プラセボ投与の4週間のwash-out期間後,repaglinide群(62例),glimepiride群(62例)に無作為割付け。
両群ともに1mg/日を投与した。試験薬の用量は,8週間かけて漸増し,その後,12ヵ月投与。
6ヵ月後および12ヵ月後に,HbA1c値,空腹時血漿グルコース(FPG)値,食後血糖(PPG)値,空腹時血漿インスリン(FPI)値,食後血漿インスリン(PPI)値,Lpa,PAI-1,Hcyを評価した。
●結果 6ヵ月後および12ヵ月後のFPG値とHbA1c値は,両群ともに有意に低下した(6ヵ月後:いずれもp<0.05,12ヵ月後:いずれもp<0.01)。
PPG値は,6ヵ月後にはrepaglinide群でのみ有意に低下したが(p<0.05),12ヵ月後には両群ともに有意な低下を認めた(repaglinide群:p<0.01,glimepiride群:p<0.05)。
6ヵ月後のFPI値およびPPI値は,両群ともに有意な変化を認めなかったが,12ヵ月後のFPI値はrepaglinide群で有意に低下した(p<0.05)。
repaglinide群では,12ヵ月後のLpa,PAI-1,Hcyが有意に低下したが(すべてp<0.05),glimepiride群では,6ヵ月後のLpaおよびHcyが有意に低下し(いずれもp<0.05),12ヵ月後のLpa(p<0.01),Hcy(p<0.01),PAI-1(p<0.05)が有意に低下した。
●結論 2型糖尿病患者において,repaglinideとglimepirideはいずれも,血糖コントロールを改善し,Lpa,PAI-1,Hcyを低下した。Lpa,PAI-1,Hcyの低下は,グルコース代謝の改善によるものであると考えられたが,repaglinideおよびglimepirideがこれらのパラメータに直接的影響を及ぼした可能性もある。