編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1167報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Wilding JP, Woo V, Soler NG, Pahor A, Sugg J, Rohwedder K, Parikh S; Dapagliflozin 006 Study Group: Long-term efficacy of dapagliflozin in patients with type 2 diabetes mellitus receiving high doses of insulin: a randomized trial. Ann Intern Med. 2012; 156: 405-15. [PubMed]

BMI 33kg/m²,平均インスリン投与量80U/日で血糖コントロール不良例にSGLT-2阻害薬を追加投与した成績である。尿糖排泄を促すことにより,HbA1cの低下,インスリン投与量の減少がみられたと考察されるが,低血糖や尿路感染症の発症頻度が上昇した。【河盛隆造

●目的 インスリン±経口抗糖尿病薬(OAD)でコントロール不良の2型糖尿病患者において,dapagliflozin(ナトリウム/グルコース共輸送体2阻害薬)追加の有効性と安全性を検討した。
一次アウトカムは,24週後のHbA1c値の変化。二次アウトカムは,体重,インスリン用量,空腹時血糖値。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(欧州および北米の126施設)。
●試験期間 試験期間は2008年4月30日~2009年11月19日。追跡期間は48週(無作為化期間24週+延長期間24週)。
●対象患者 808例:インスリン≧30U/日±最大2剤のOADでコントロール不良(HbA1c値7.5~10.5%)の2型糖尿病患者。18~80歳。BMI≦45kg/m²。
除外基準:1型糖尿病,コントロール不良糖尿病の症状あり,推定クレアチニンクリアランス値<50mL/分/1.73m2,測定血清クレアチニン値>2mg/dL(metformin投与例では,男性>1.5mg/dL,女性≧1.4mg/dL)。
●方法 dapagliflozin 2.5mg群(202例),5mg群(212例),10mg群(196例),プラセボ群(197例)に無作為割付け。いずれも,1日1回,既存の治療薬に追加投与。
●結果 解析患者は800例であった(dapagliflozin 2.5mg群202例,5mg群211例,10mg群194例,プラセボ群193例)。
24週後のHbA1c値の変化は,dapagliflozin 2.5mg群-0.79%,5mg群-0.89%,10mg群-0.96%,プラセボ群-0.39%で,プラセボ群との群間差は,dapagliflozin 2.5mg群は-0.40%,5mg群は-0.49%,10mg群は-0.57%であった(いずれもp<0.001)。
1日のインスリン用量の変化は,dapagliflozin 2.5mg群-1.95U,5mg群-0.63U,10mg群-1.18U,プラセボ群+5.65Uで,プラセボ群(開始時平均インスリン投与量74U)との群間差は,dapagliflozin 2.5mg群(同80U)は-7.60U,5mg群(同77U)は-6.28U,10mg群(同78U)は-6.82Uであった(いずれもp<0.001)。
体重の変化は,dapagliflozin 2.5mg群-0.92kg,5mg群-1.00kg,10mg群-1.61kg,プラセボ群+0.43kgで,プラセボ群との群間差は,dapagliflozin 2.5mg群は-1.35kg,5mg群は-1.42kg,10mg群は-2.04kgであった(いずれもp<0.001)。
48週後のHbA1c値,インスリン用量,体重についても同様であった。
低血糖エピソードの発生率は,全dapagliflozin群56.6%,プラセボ群51.8%で,生殖器感染症疑い事象の発生率は,それぞれ9.0%,2.5%,尿路感染症疑い事象の発生率は,それぞれ9.7%,5.1%であった。
●結論 インスリン±OADでコントロール不良の2型糖尿病患者において,dapagliflozin追加は血糖コントロールを改善し,インスリン用量を安定化し,体重を減少し,重大な低血糖エピソードの増加は認めなかった。