編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
de Boer IH, Rue TC, Cleary PA, Lachin JM, Molitch ME, Steffes MW, Sun W, Zinman B, Brunzell JD, White NH, et al.; Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Study Research Group : Long-term renal outcomes of patients with type 1 diabetes mellitus and microalbuminuria: an analysis of the Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications cohort. Arch Intern Med. 2011; 171: 412-20. [PubMed]

1型糖尿病患者を対象としたDCCT/EDICで,微量アルブミン尿を発症した患者の長期アウトカムをみた貴重な成績である。10年間の蛋白尿への進展は28%,GFR低下は15%,ESRDの発症は4%であった。一方,正常アルブミン尿への回帰は40%に認められている。強化インスリン療法例,HbA1c低値例で回帰率が高かったことから示唆されるように,厳格な血糖コントロールが微量アルブミン尿の正常化に重要といえる。さらに,血圧やLDL-コレステロールやトリグリセリドの厳格な管理も重要なことがうかがわれる結果といえる。
微量アルブミン尿が持続的にみられるようになったならば,これらのリスクをトータルに厳重に管理することの必要性を再認識すべき結果である。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者において,微量アルブミン尿を発症後の長期腎アウトカムを検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 追跡期間は中央値13年(1~23年)。DCCTの登録期間は1983年8月23日~1989年6月30日,DCCTの追跡期間は平均6.5年。
●対象患者 325例:持続性微量アルブミン尿(連続した2回の測定でアルブミン排泄率[AER]≧30mg/24時間)を認める1型糖尿病患者。女性40.6%。平均33.3±10.0歳。罹病期間14±6年。
●方法 ・DCCTでは,1型糖尿病患者1441例を,強化インスリン療法群または従来療法群に無作為割付け。DCCT終了後,EDICで追跡。
・本解析は,DCCT/EDIC期間に持続性微量アルブミン尿を発症した患者を対象に,顕性アルブミン尿への進展(連続した2回の測定でAER≧300mg/24時間),糸球体濾過量(GFR)低下(連続した2回の測定で推定GFR<60mL/分/1.73m²),末期腎疾患(ESRD),正常アルブミン尿への回帰(連続した2回の測定でAER<30mg/24時間)を評価。
●結果 10年間の累積発生率は,顕性アルブミン尿への進展は28%,GFR低下は15%,ESRD発症は4%,正常アルブミン尿への回帰は40%であった。強化インスリン療法群,HbA1c低値,網膜症なし,女性,血圧低値,LDL-C低値,トリグリセリド低値の患者では,顕性アルブミン尿への進展リスクが低く,正常アルブミン尿への回帰率が高かった。また,HbA1c低値,網膜症なし,血圧低値は,GFR低下のリスクを低下した。
●結論 1型糖尿病患者において,持続性微量アルブミン尿を発症後の腎疾患の進展および回帰の頻度は高かったことから,持続性微量アルブミン尿の診断は,腎臓への介入を評価する貴重な機会であることが示唆された。強化血糖コントロール,血圧低値,良好な脂質プロファイルは,腎アウトカムを改善した。