編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Culver AL, Ockene IS, Balasubramanian R, Olendzki BC, Sepavich DM, Wactawski-Wende J, Manson JE, Qiao Y, Liu S, Merriam PA, et al.: Statin use and risk of diabetes mellitus in postmenopausal women in the Women's Health Initiative. Arch Intern Med. 2012; 172: 144-52. [PubMed]

16万人の閉経後女性を追跡して,スタチンの有無による糖尿病発症リスクを検討している。過去に報告されたメタ解析の結果と同様,スタチンの投与が糖尿病発症リスクを有意に増加させる(多因子補正後のハザードリスクで1.48倍)ことを明らかにした。
心血管疾患予防に関するスタチンのリスクは十分に明らかになっているので,スタチン使用に際しては,心血管疾患リスク改善効果というメリットと,糖尿病発症リスク増加というデメリットを天秤にかけて,メリットがデメリットを大きく上回ることを確認する必要があるだろう。【西尾善彦

●目的 閉経後女性において,スタチン使用と新規糖尿病発症リスクの相関を検討した。
●デザイン コホート,多施設(米国の40施設)。
●試験期間 登録期間は1993~1998年。追跡期間は1,004,466人-年。
●対象患者 153,840例:WHIに参加した50~79歳の女性161,808例のうち,糖尿病を認めず,ベースラインの糖尿病および薬剤データが得られ,cerivastatinを使用していない女性。平均63.2±7.3歳。
●方法 Cox比例ハザードモデルを用いて,スタチン使用による糖尿病発症リスクを算出。
●結果 ベースラインのスタチン使用患者の割合は7.04%で,うちsimvastatinが30.29%,lovastatinが27.29%,pravastatinが22.52%,fluvastatinが12.15%,atorvastatinが7.74%であった。
追跡期間の自己報告の糖尿病発生は10,242件で,ベースラインのスタチン使用例では,非使用例より糖尿病リスクが高かった(ハザード比[HR]1.71,95%CI 1.61-1.83)。年齢,人種/民族,教育,喫煙,BMI,運動量,飲酒量,エネルギー摂取量,糖尿病の家族歴,ホルモン治療,試験群,自己報告の心血管疾患(CVD)を調整後も同様で(HR 1.48,95%CI 1.38-1.59),また薬剤による差異は認めなかった。また,ベースラインと3年目のデータが得られた125,575例における検討でも同様であった。
●結論 閉経後女性において,スタチン使用により新規糖尿病発症リスクが上昇した。