編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Holmes VA, Young IS, Patterson CC, Pearson DW, Walker JD, Maresh MJ, McCance DR; Diabetes and Pre-eclampsia Intervention Trial Study Group : Optimal glycemic control, pre-eclampsia, and gestational hypertension in women with type 1 diabetes in the diabetes and pre-eclampsia intervention trial. Diabetes Care. 2011; 34: 1683-8. [PubMed]

子癇前症に対して妊娠中の血糖コントロールの必要性が,多数例の1型糖尿病妊娠について示された貴重なエビデンスである。また,妊娠前のHbA1cの成績が得られたのは全体の71%であるが,妊娠前のHbA1cが至適血糖コントロール群では子癇前症が少ない傾向があり,計画妊娠が必要であることを示している。【景山茂】

●目的 1型糖尿病の女性において,妊娠前および妊娠中の血糖コントロールと,子癇前症および妊娠高血圧リスクの相関を検討した。
●デザイン コホート(DAPITは無作為,プラセボ対照,多施設)。
●試験期間 登録期間は2003年4月~2008年6月。
●対象患者 749例:DAPITに参加した妊娠8~22週の1型糖尿病女性(≧16歳,単胎妊娠)。
●方法 妊娠前6ヵ月のHbA1c値(542例),妊娠初期(中央値9週)のHbA1c値(721例),妊娠26週のHbA1c値(592例),妊娠34週のHbA1c値(519例)のデータを用いて,至適血糖コントロール(<6.1%),良好コントロール(6.1~6.9%),中等度コントロール(7.0~7.9%),コントロール不良(≧8.0%)に分類し,子癇前症および妊娠性高血圧のリスクを評価。
●結果 子癇前症の発生率は17%,妊娠性高血圧の発生率は11%。
子癇前症を発症した女性は,非発症女性に比し,妊娠前および妊娠中のHbA1c値が有意に高かった(いずれもp<0.05)。至適血糖コントロール群に比較して子癇前症リスクが有意に上昇していたのは,妊娠初期ではコントロール不良群(オッズ比[OR]3.68,95%CI 1.17-11.6),妊娠26週時では良好コントロール群(OR 2.09,95%CI 1.03-4.21),中等度コントロール群(OR 3.20,95%CI 1.47-7.00),コントロール不良群(OR 3.81,95%CI 1.30-11.1),妊娠34週時では中等度コントロール群(OR 3.27,95%CI 1.31-8.20),コントロール不良群(OR 8.01,95%CI 2.04-31.5)であった。HbA1c値の1%低下に伴う子癇前症の調整ORは,妊娠前0.88(95%CI 0.75-1.03),妊娠初期0.75(95%CI 0.64-0.88),妊娠26週時0.57(95%CI 0.42-0.78),妊娠34週時0.47(95%CI 0.31-0.70)であった。
血糖コントロールと妊娠性高血圧との有意な相関は認めなかった。
●結論 1型糖尿病の女性において,子癇前症発症例では妊娠前および妊娠中のHbA1c値が有意に高かった。妊娠初期から妊娠期間を通じて血糖を至適にコントロールすることにより,子癇前症リスクが軽減することが示唆された。