編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Chakraborty A, Chowdhury S, Bhattacharyya M: Effect of metformin on oxidative stress, nitrosative stress and inflammatory biomarkers in type 2 diabetes patients. Diabetes Res Clin Pract. 2011; 93: 56-62. [PubMed]

24週間のmetformin治療が,活性酸素産生,過酸化物,ペントシジンの量を減らし,NOおよびチオール量を増加させることを示した。しかし,metformin治療群と対照群では,血糖コントロール状態(6.9% vs 8.8%)のみならず,体重,脂質値に大きな差がある。そのため,本検討で明らかにされた結果が,metforminの効果によるものか,糖尿病治療の効果によるものかが明らかではない。【西尾善彦

●目的 2型糖尿病患者において,metforminが酸化ストレス,ニトロソ化ストレス,炎症性パラメーターに与える影響について検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検。
●試験期間 治療期間は24週間。
●対象患者 208例:metformin群110例,プラセボ群98例。
登録基準:30~55歳,BMI 23~29kg/m²,HbA1c値>7%,糖尿病罹患期間1~5年。
除外基準:腎機能障害(血清クレアチニン値>125μmol/L),喫煙,重大な心筋症の既往,ビタミンカプセルとカルシウムタブレットの服用。
●方法 metformin群(850~2000mg/日)とプラセボ群に無作為割付け。24週の治療期間後に12時間空腹時の血液サンプルを採取し解析した。
●結果 ベースラインと比較して,metformin群では活性酸素種の産生,蛋白質過酸化物(179.65±13.6 vs 120.65±10.5μmol/L,P<0.001),ペントシジン(107±10.4 vs 78±7.6pmol/ml,P<0.05)が低下していた。metformin群ではチオール(397±16.4 vs 447±14.2,P<0.05)と一酸化窒素(20.9±4.5 vs 34.7±3.8,P<0.05)のレベルは上昇したが,血漿栄養素(Mg+2,Ca+2)は変化していなかった。metformin治療後にはC反応性蛋白(CRP)が有意に改善した(14.45±0.65 vs 9.62±0.23mg/L,P<0.001)。metformin群では,赤血球膜のNa+K+ATPase活性が有意に改善した(0.28±0.08 vs 0.41±0.07μmol Pi/mg/h,P<0.05)。
●結論 2型糖尿病患者において,metformin療法は抗酸化物質の状態,酵素活性,炎症性パラメーターを改善した。またmetformin療法は2型糖尿病によって変化した酸化ストレスとニトリソ化ストレスを改善した。本研究によって,経口血糖降下薬としてのmetforminの心保護的な役割が示された。