編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Crasto W, Jarvis J, Khunti K, Skinner TC, Gray LJ, Brela J, Troughton J, Daly H, Lawrence IG, McNally PG, et al.: Multifactorial intervention in individuals with type 2 diabetes and microalbuminuria: the Microalbuminuria Education and Medication Optimisation (MEMO) study. Diabetes Res Clin Pract. 2011; 93: 328-36. [PubMed]

本研究は,構造化教育を行うことで,心血管リスク因子がより効率的に是正されることを示している。結論として強化血糖コントロールは,2型糖尿病の自己管理を促進する構造化教育によって補強されるべきであるとされているが,症例数が少ないことがこの研究の大きな限界である。また,この教育にはどのくらいの人的コストが必要なのか,通常の診療でまかなえるのか疑問がある。【綿田裕孝

●目的 微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者において,構造化教育による心血管リスク因子のコントロールが,実際に通常治療よりも心血管リスク因子の改善をもたらすか検討した。
一次アウトカムは18ヵ月後のHbA1c値の変化。二次アウトカムは血圧,コレステロール,アルブミン尿,リスク因子の目標値に達成した割合,および心血管リスクスコアの変化。
●デザイン 無作為化,パラレル,プロスペクティブ。
●試験期間 登録期間は2006年9月~2007年4月。
●対象患者 189例:英国のプライマリーケア病院と専門病院に登録された多民族の患者。強化介入群94例,通常療法群95例。平均年齢61.5±10.5歳,平均糖尿病罹患期間11.5±9.3年。
登録基準:25~80歳,食事療法か経口抗糖尿病薬またはインスリン治療,微量アルブミン尿(アルブミン-クレアチニン比が男性で≧2.5~30mg/mmol/L,女性で≧3.5~30 mg/mmol/Lと定義),早朝の尿サンプルで3回中2回陽性または明白な蛋白尿で血清クレアチニン値<180μmol/L。
除外基準:悪性腫瘍の既往,慢性肝疾患または余命5年未満,教育セッションへの参加を妨げる学習障害/精神的無能力または不動性,血清クレアチニン値>180μmol/L,他の試験への参加。
●方法 構造化患者教育による強化介入群と医療者による通常治療群に無作為割付け。強化介入群では,患者教育のDESMONDモデルに基づき,3ヵ月ごとに生活習慣改善や危険因子の目標値設定および達成に関する議論などの教育が1対1で行われた。生物医学的測定はベースラインと6,12,18ヵ月後に行った。
●結果 18ヵ月後,強化介入群では通常療法群に比べてHbA1c(7.1±1.0% vs 7.8±1.4%,P<0.0001),SBP(129±16mmHg vs 139±17mmHg,P<0.0001),DBP(70±11mmHg vs 76±12mmHg,P<0.001),総コレステロール(3.7±0.8mmol/L vs 4.1±0.9mmol/L,P=0.001)が有意に改善され,中等度低血糖(11.2% vs 29.0%,P=0.001)および重症の低血糖(0% vs 6.3%,P=0.07)が低下していた。より強い介入を行った患者では,心血管リスクスコアが大きく減少し,3つ以上のリスク因子で目標値を達成した。
●結論 強化介入では代謝コントロールと心血管リスクプロファイルの大幅な改善が示され,中等度と重症の低血糖の割合が低下した。強化血糖コントロールは,2型糖尿病の自己管理を促進する構造化教育によって補強されるべきである。