編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hermida RC, Ayala DE, Mojón A, Fernández JR: Influence of time of day of blood pressure-lowering treatment on cardiovascular risk in hypertensive patients with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2011; 34: 1270-6. [PubMed]

本研究は,1剤以上の降圧薬を就寝時に投与することにより,すべての降圧薬を起床時に投与するよりも夜間血圧を良好にコントロールすることができ,かつ心血管イベントを減少させることができたことを示す貴重な成績である。
降圧薬は一律に朝食後に投与する傾向があるが,就寝時投与の重要性も考える必要があろう。しかしながら,夜間血圧には明らかな群間差があるが起床時血圧には差が認められず,ABPMを実施しないと降圧薬の就寝時投与の効果を確認できないという,日常臨床における課題も示された。
また,3系統以上の降圧薬を服用している例が半数を超えているが,そのうちどの降圧薬を就寝時に投与したかが示されていないことが気になる点である。【景山 茂

●目的 高血圧を有する2型糖尿病患者において,1つ以上の降圧薬の就寝時投与が,全降圧薬を朝投与する従来の治療よりも良好な血圧コントロールと心血管リスクの減少をもたらすか検討した。
●デザイン PROBE(prospective, randomized, open-label, blinded-endpoint)法,単施設。
●試験期間 追跡期間は5.4年(中央値)。
●対象患者 448例:高血圧の2型糖尿病患者。起床時投与群232例,就寝時投与群216例。男性255例,女性193例。平均62.5±10.8歳。
除外基準:妊娠,薬物/アルコール中毒歴,夜間/シフト制勤務,AIDSの診断,1型糖尿病,二次性高血圧,心血管疾患障害(不安定狭心症,心不全,生命を脅かす可能性のある不整脈,腎症,グレードIII-IVの網膜症),自由行動下血圧測定に耐えられない者,試験におけるすべての要求に対して連絡すること/従うことができない。
●方法 処方された降圧薬をすべて起床時に投与する群(起床時投与群)と,そのうち1つ以上を就寝時に投与する群(就寝時投与群)に無作為割付け。ベースラインで48時間自由行動下血圧を測定し,さらに毎年もしくはより頻繁(年4回)に,治療の補正後の測定を行った。
●結果 就寝時投与群では,起床時投与群と比較して有意に心血管リスクが低下した(ハザード比[HR]0.33,95%CI 0.21-0.54,P<0.001,年齢と性別で補正)。主要イベント(心血管死,心筋梗塞,脳卒中)の補正リスクの群間差は統計的に有意だった(HR 0.25,95%CI 0.10-0.61,P<0.003)。就寝時投与群では睡眠時血圧の平均値が有意に低下し,自由行動下血圧がコントロールされた割合が有意に高かった(62.5% vs 50.9%,P=0.013)。追跡期間中,睡眠時収縮期血圧の5mmHg減少あたり心血管リスク12%の有意な低下が認められた(P<0.001)。
●結論 2型糖尿病患者において,1つ以上の降圧薬の就寝時投与は,全降圧薬の起床時投与と比較して自由行動下血圧コントロールを改善し,心血管疾患罹患率と心血管死亡率を有意に低下させた。