編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Kuo HK, Al Snih S, Kuo YF, Raji MA: Cross-sectional associations of albuminuria and C-reactive protein with functional disability in older adults with diabetes. Diabetes Care. 2011; 34: 710-7. [PubMed]

高齢の糖尿病患者での身体活動や日常生活,社会生活における機能障害に,微量アルブミン尿や蛋白尿,および炎症マーカーであるCRPが独立して関与することを明らかにした。またCRP高値,すなわち無症候性炎症があると,機能障害に及ぼすアルブミン尿の影響が増幅されることも興味深い。急速に高齢化が進むわが国においても,アルブミン尿やCRPが機能障害の予測因子になることが追試できれば,機能障害の高リスク群を抽出することができることになる。【片山茂裕

●目的 高齢の糖尿病患者において,アルブミン尿,炎症,機能障害の相関を検討した。
●デザイン 横断研究。
●試験期間 登録期間は1999~2008年。
●対象患者 1729例:≧60歳の糖尿病患者。男性52.8%。平均70.6歳。平均HbA1c値7.2%。
除外基準:進行腎疾患(推定糸球体濾過率[eGFR]<30mL/分/1.73m2)。
●方法 日常生活動作(ADL),手段的日常生活動作(IADL),余暇および社会活動(LSA),全般的身体活動(GPA),下肢運動(LEM)における障害を自己報告により評価。尿中アルブミン-クレアチニン比(UACR)により,対象患者を正常(<30mg/g:1121例),微量アルブミン尿(30~300mg/g:470例),顕性アルブミン尿(>300mg/g:138例)に分類。ラテックス増強比濁法によりC反応性蛋白質(CRP)を定量化。
●結果 年齢,性別,人種,BMI,喫煙,SBP,併発疾患(心疾患,慢性閉塞性肺疾患,脳卒中,関節炎),eGFR,HbA1c,総コレステロール,降圧薬使用,脂質低下薬使用,抗糖尿病薬使用,CRPを調整後,微量アルブミン尿例では正常例に比し,ADL障害(オッズ比[OR]1.51,95%CI 1.16-1.98),LSA障害(1.62,1.12-2.14),LEM障害(1.34,1.03-1.74)のリスクが上昇,顕性アルブミン尿例では正常例に比し,ADL障害(1.94,1.24-3.03),IADL障害(1.93,1.23-3.02),LEM障害(2.20,1.38-3.49)のリスクが上昇。
CRP高値(>0.3mg/dL)は,ADL障害(1.28,1.00-1.62),LEM障害(1.68,1.34-2.11)のリスクを上昇。
アルブミン尿かつCRP高値の患者では,非アルブミン尿かつCRP正常の患者より,機能障害リスクが高い(ADL障害2.01[1.42-2.84],IADL障害1.58[1.12-2.23],LSA障害2.05[1.43-2.93],GPA障害1.58[1.09-2.29],LEM障害2.49[1.77-3.49])。
●結論 高齢の糖尿病患者において,アルブミン尿と炎症は独立して機能障害と相関した。機能障害について,アルブミン尿とCRP高値には相互作用を認めたことから,無症候性炎症があると,機能障害に対するアルブミン尿の影響が増幅することが示唆された。